トプカプ宮殿で24時間響くクルアーンの朗誦(Yeni Safak紙)
2006年12月16日付 Yeni Safak 紙

トプカプ宮殿の聖遺物室では、オスマン朝のヤヴズ・スルタン・セリム期以来、24時間途切れることなくコーラン(クルアーン)が朗誦されている。5世紀ものあいだ続いた伝統を現在、イスタンブル宗務局所属の12人のハーフィズ(コーラン暗唱者)が守っている。コーランは宮殿で24時間ずっと朗誦され、毎日1回最初から最後までとおされる。すばらしい声と正しいイントネーションを身につけた経験豊かなハーフィズ達の中から選ばれた12人全員が神学部またはその他の学部を卒業した大卒だ。ハーフィズ達は全員、とても上手なアラビア語と英語を話す。

各ハーフィズは1時間コーランを朗誦した後、休憩をとる。宮殿ではこの伝統を妨げることのないよう並外れた努力が払われている。ハーフィズの1人は局部手術をしたが、体に5針縫合した状態で任務をまっとうしたほどであるという。ハーフィズ達は、全員が厳格な監視下におかれており、カメラの下で務めを果たしている。

■1924年に中断

聖遺物展示室での24時間コーラン朗誦という伝統は、1924年に中断されたという。その後、日中は朗誦が行われ夜は行われなかったが、1996年以降、イスマイル・カフラマン文化大臣の指示にしたがって、再び初期の頃のように24時間途絶えることなく朗誦が続けられるようになったという。

■ヤヴズ(冷酷者)が始めた

トプカプ宮殿で絶えずコーランを朗誦するという伝統は、ヤヴズ・スルタン・セリムがエジプト遠征からの帰還時に始まる。預言者ムハンマドをはじめとする一部の預言者らの聖遺物をイスタンブルに持ち帰ったスルタン・セリムは、トプカプ宮殿の一画であるスルタンの私室でコーランの朗誦をさせ始めた。コーラン朗誦は、スルタン自身をはじめ当時の高級官僚らを含む40人のハーフィズによって代わる代わる続けられ、長い間、預言者ムハンマドのマントと旗が置かれたスルタンの私室で続けられた。しかしかなり後になって、トプカプ宮殿で非常に貴重なコーランが盗まれたために、安全性が強化され、スルタンの私室でのコーラン朗誦は終わりを告げた。


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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:4138 )