イラクが一体となった63分―アジア大会サッカー決勝戦
2006年12月17日付 Radikal紙

一昨日(15日)、イラクは内戦の空気も忘れ、「国民的な一体感」を思い出した。シーア派選手、スンナ派選手、クルド人選手、テュルクメン人選手、キリスト教徒選手と、完全にモザイク模様となったサッカー代表チームが、アジア大会の開催国であるカタールと決勝戦で戦い、つかの間ではあったが、イラク人が一体となったのだ。

民衆、警察、反政府主義者らはテレビやラジオの前に集まって、通りは静まり返り、「2700万人が君たち(の試合)を観戦している。イラク人の心は君たちとともに」というアナウンサーの言葉だけが聞こえていた。しかし、人々が「メソポタミアのライオンたちよ」と心に抱いたサッカー選手たちは、試合開始後の63分にカタールのシュートを防ぐことができず、「夢のような一体感」も終わりを告げた。

テロや誘拐で多くの選手やコーチを失ったイラクの代表チームは、期待もされずにトーナメントに臨んだ。しかし、韓国に勝ち、決勝戦へ進出すると人々はイラクの国旗を手に通りにあふれだし、カタールを打倒すべく応援した。

試合を観戦するために友人11人で発電機を借りたというキルクーク在住のクルド人、アーザード・レスールさんは「クルド人も、アラブ人も、シーア派も、スンナ派もみな同じ部屋にいる。我々は仲間であり、代表チームを一緒に応援している」と話して、すべてのイラク人の気持ちを代弁した。

大学生のオメル・リヤードさんは「今までの勝利は我々に大きな誇りと一体感を与えてくれている。祖国を崩壊しようとするテロリストに、このチームは大きな打撃となろう」と話した。

兄弟が6ヶ月前に誘拐されたというゼイドゥン・タレブさんは「優勝したら空に向けて発砲し、空を焼こう。この試合は喜ぶべき幸運である。私の兄弟もどこにいたとしても、喜んでいるだろう」と語った。

■ ゴールを決められ、八百長批判

前半戦では拍手と「ライオン」の応援をやめることのなかったイラクの人々だったが、時計が63分をさすと、国民の一体感は失われ、八百長だとしてサッカー選手たちを責めさえした。

タレブさんは「選手は全員、首長が国籍と豊かな資金を与えるカタールに残りたかったのだ。それで試合を売り渡した」と文句を言った。その一方、「足ることを知る」イラク人のひとり、アフメドさんは「銀メダルだって勝利だ」と話した。(タイムズ,ガーディアン)




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(翻訳者:松岡聡美)
(記事ID:4151)