EU正式加盟が遠のいた -欧州委員会が加盟交渉一部凍結を決定(Milliyet紙)
2006年12月01日付 Milliyet 紙

欧州委員会は、トルコが港および空港を南キプロスギリシャ地区からの船舶および航空機に解放していないことへの制裁として、8項目の交渉を凍結するとの勧告を提示した。この8項目の中に、合意を得るのが最も難しいとされる「農業と農村開発」および「漁業」も入った。

交渉凍結の決定が農業および漁業にも及んだことは、2015年に予想されるトルコのEU正式加盟日程の無期限延長という結果につながる可能性がある。
欧州委員会は、関税同盟を南キプロスギリシャ地区に適用することを盛り込んだアンカラ協定追加議定書に、トルコが同意せず(同議定書の)実施に至っていないことへの制裁として、8項目の交渉凍結を欧州議会に提言することを決定した。EU専門家らは、この決定による否定的な影響を次の通り指摘している。

〇委員会は、南キプロスおよびフランスからの圧力を受け、港に関わる3つの交渉項目のみならず関税同盟に影響するすべての交渉項目をリストに挙げた。このため、港に関する議論に関係のない「農業と農村開発」、「漁業」、「金融サービス」といった項目までもが、ただ関税同盟に関わるということだけで交渉すら行うことのできないリストの中に入れられた。

〇委員会の決定は、トルコが港を解放すれば、凍結される8つの交渉項目の交渉を開始するとしている。このため、EUとの合意が最も難しいとされる「農業と農村開発」、およびEU事務総局幹部さえもが現時点まで協定に即した進展が「0に近い」水準でしか見られていないと明らかにした「環境と漁業」分野における交渉は、港湾問題が解決に至るまでこの先開始されることはない。

■延期される

〇この状況により、これまでずっと2014年から2015年と予想されてきた「交渉を終え、EUに正式加盟する」日程が、「港湾問題の解決のために経過する時間」の分だけ延期されることになる。キプロス問題が解決されないままの状態では、この交渉はこの先何年間も開始されないことになる。
農業と環境に関わる問題での交渉は、元々非常に長い年月がかかることが予想されていた。キプロス問題解決後の交渉開始が決定されたことで、正式加盟日程は予想されていた2015年よりもかなりの先延ばしとなる可能性がある。

〇この決定は、トルコとEUの間が「急速に遠ざかる」危険性をはらんでいる。EUは、2007年から2008年にかけてEUの将来について議論し、EU憲法問題を解決することを目指している。ちょうどこの時期にトルコとの交渉進展が減速することは、トルコをEUの将来に関する議論に参加させることを好まないドイツやフランスといった大国の傾向を強める可能性がある。



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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:4026 )