ローマ法王、アヤソフィアではなくスルタン・アフメト・モスクで祈りを捧げる(Hurriyet紙)
2006年12月01日付 Hurriyet 紙

 アヤソフィアを訪問した際礼拝するかどうか数日来議論されていたローマ法王ベネディクト16世が、スルタン・アフメト・モスク内でイスタンブル県宗務局長ムスタファ・チャールジュの誘いを受けてキブラ(メッカの方向)を向きながら祈りを捧げた。法王がキブラを向いて、そして手をお腹の辺りで重ねた格好で礼拝したことは世界中のメディアに「速報」として報道された。
 
 ベネディクト16世は、ローマ帝国時代以来その姿をとどめるヒッポドローム側にある本来の正門、中庭門からモスクへ入った。そこでイスタンブル県宗務局長ムスタファ・チャールジュとエミニョニュ区宗務官ムハッレム・ビルギチが出迎えた。法王は中へ入る際靴を脱ぎ、準備されていたスリッパではなく、同行者らが持参した白布製の履物を履いた。

 ムスタファ・チャールジュ局長は、ベネディクト16世へ天井の装飾やミフラーブ(メッカの方角を示す壁のくぼみ)、ミンバル(説教壇)、キュルスュ(演壇)、ヒュンキャル・マフフィル(モスク内部の2階部分;スルタンの部屋)について説明をした。チャールジュ局長はモスクの最も神聖な場所、ミフラーブとミンバルの前に立った時、30~40秒ほど要する「御前の祈り」を捧げようと法王を誘った。誘いに応じた法王はチャールジュ局長とキブラへ向き、手をお腹の辺りに重ねて礼拝した。

 チャールジュ局長はファーティハ章(コーラン第一章)を唱えた後、法王が一分近い祈りを終えるのを待った。法王は軽く頭を下げて礼拝を終えた。

■アヤソフィア博物館を訪問

 ローマ法王ベネディクト16世はスルタン・アフメト・モスク訪問の前にアヤソフィア博物館を訪れていた。同博物館ではハルク・ドゥルスン館長とジャーレ・デデオール局長に出迎えられ、ドゥルスン館長の案内で見学した。法王は博物館の出口、「綺麗な門」の前で公正発展党(AKP)のロクマン・アイヴァ議員としばしの間会談した。アイヴァ議員は法王に、様々な障害がもたらす諸問題についての手紙を渡し、諸問題に対して「見てみぬふり」をする人々の態度をなくすために法王に助けを求めた。ベネディクト16世もアイヴァ氏へ「神は我々全ての人間が兄弟となり、互いに助け合うことを望んでいる。我々はあらゆる社会が問題を受け入れるよう努め、そのために祈っている。」と話した。法王は博物館の来賓記帳書に「様々な相違点はあるものの、我々は皆、常にたったひとつの神を信仰している。神が我々を啓蒙し、愛と平和の道に導いて下さいますように。」とイタリア語で記帳した。

 ローマ法王はスルタン・アフメト・モスク訪問後、クムカプにあるトルコ・アルメニア教会を訪れた。法王はメスロブ2世総主教と総主教座聖堂でミサを主宰した。




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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:4027 )