Fikret Bilaコラム:民族主義者行動党バフチェリ党首の記者会見(Milliyet紙)
2006年12月20日付 Milliyet 紙

 民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首は、昨日朝食時の記者会見で、最近話題に上っている大統領選と総選挙について考えを述べた。

バフチェリ党首はエルドアン首相と共和民主党(CHP)のバイカル党首にむけてメッセージを送った。また、大統領選挙と総選挙について、「民主的闘争」との言葉を使って考えを表明し、MHPの考える民主的闘争の枠組を説明した。

■通常の手続きで

バフチェリ党首は、大統領選より前の2007年3月11日に総選挙を行うべきだと提案する一方、「正統性を欠いた体制(訳者註:ここでは新たに選出された大統領に正統性が認められない状態)」を招くことにつながる状況と日程に異を唱え、「街頭や街頭文化(大規模な街頭デモ)による」政権交代を厳しい言葉で批判した。

バフチェリ党首は、大統領選が「正統性を欠いた体制」につながってはならないと強調。この強調を、民衆の声や感覚に依拠して行なっていると述べたバフチェリは、闘争が民主的な通常の手続きでもってなされるべきとの注意を促した。

バフチェリ党首のこの議論に関する声明は次の通り。
1-闘争は民主主義の枠組みのなかで行わなければならない。「正統性を欠いた体制」あるいはオレンジ革命(2004年ウクライナ大統領選挙の結果に対しての抗議運動と、それに関する政治運動などの一連の事件)のような事態は好ましくない。「正統性を欠いた体制」は、いかなる条件下においても合法的ではない。
2-政権交代の唯一の方法は選挙だ。
3-街頭文化によって目的は達成されない。

バフチェリはCHPへ向けて、「国民の心(へ戻る)」というCHPの提案を評価する一方、CHPをはじめとする、議席を持つ諸政党に対して以下のような呼びかけを行なった。
「国会議員の辞職という方法で『国民の心』へ戻ろうと試みて、(結果として)AKPを利するよりも、AKPを国会で孤立させるべきだ。共和人民党、正道党 (DYP)、祖国党(ANAP)が国会でAKPを孤立させるような行動に出るのは意義のあることだ。本会議や委員会の活動に加わらずとも、国会で議論できる。CHP、DYP、ANAPは国会での議論から離脱する前に、街頭に出る前に、国会の中で民主的態度にのっとり、野党として議論を戦わせればいい。」

■エルドアンへ

バフチェリ党首はエルドアン首相に、まず総選挙を行ってから、その後に大統領選を実施することの必要性を説いた。

バフチェリ党首はエルドアン首相が大統領候補になるために以下の二つのことが必要との意見を表明した。
1-トルコ大国民議会本会議で、エルドアン自身が罪に問われ、議員不逮捕特権の剥奪も含まれる案件について、身の潔白を証明すること。
2-選挙を実施して新たに民意を問うこと。

バフチェリ党首は、エルドアン首相は議員不逮捕特権の剥奪要求に対し、容疑を晴らさずに大統領を目指すべきではないと主張した。そして、それでも大統領になることに固執する場合には、民主的手続によってエルドアンをその地位から退かせ、提訴するつもりだと述べた。

バフチェリ党首は、大統領選の前に行われる総選挙で、次の国会が2002年11月3日の時のようにAKPが34パーセントの得票率で365人の国会議員を輩出するような(大勝をおさめた)事態になって、エルドアンを大統領に選出するなら議論は収束するだろうと述べた。

バフチェリ党首は、トルコに緊張をもたらす前に、総選挙のあとに大統領選を行うことこそが、賢明で道理にかなった方法だと強調した。

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( 翻訳者:塚田真裕 )
( 記事ID:4178 )