イランの外交関係者が米軍によりイラクで拘束:ターラバーニー大統領、憤慨 イラン紙
2006年12月26日付 Iran 紙

2006年12月26日付イラン紙

【政治部】中東、特にアメリカ占領軍が安定と治安を確保できずに危機的状況を迎えているイラクに関して、政策の変更を迫る国内外からの圧力がホワイトハウスに対して増す中、ホワイトハウスは性急かつ驚くべき挙に出た。

 数日前、共和・民主両党によるベーカー=ハミルトン委員会がイラク情勢に関する分析を発表、イラクに関してはイランと協議することが必要であるとの政策提言を米政府に行い、これに呼応してイラン政府関係者も、そのような話し合いはアメリカ側の実際の行動の変化と公式の要請次第であるとの見解を示したばかりであるにも関わらず、アメリカはイラクに駐在するイラン外交官・大使館関係者数名を拘束するという行動に出たのである。

 このようなアメリカ側の行動は、イラク・イラン両政府の指導部からの反発を惹起した。イランにおけるアメリカの利益代表であるスイス大使はイラン外務省に召喚され、イラン側の抗議と拘束者の即時釈放の要求が提出された。拘束された者のうち、数名はすでに釈放されているが、いまだ2名の釈放は実現されていないという。

 イラクに関して国内外からさまざまな圧力に晒されているアメリカの指導部は、拘束された者たちに責任を転嫁している。イラク大統領はこれらの拘束に対して強く抗議しており、近い将来イラク関係者の介入によって問題が解決され、占領軍の実績に汚点だけが残ることが期待される。

 入手した情報によると、アメリカはイラク政府関係者がイランに接近し、二国間関係が良好になることを快く思っておらず、先の襲撃では、イラクのターラバーニー大統領の〔イラン〕訪問の結果として、協力・協議のために〔イランから〕イラクに招聘された人物が拘束されたという。また観測筋は、アメリカ側の最近の動きは、同国が完全に守勢に立っていることを示すものであり、地域やイラクにおけるイランの立場を弱め、イラン・イラク両政府の関係に傷を付けることを意図したものであるとし、最終的にこのような行動は受動的なものであり、深く考慮されたものではないため、このことによって得られるものはまったくないであろうという。

 〔中略〕

 ▼ ターラバーニー大統領、イラン人拘束に怒りを表す

 その一方で、イラク大統領府の報道官は「ジャラール・ターラバーニーはイラン治安関係者がバグダードで拘束されたことを憤慨している」と述べた。

 クウェイト通信の報道によると、イラクのジャラール・ターラバーニー大統領府のヘイワー・ウスマーン報道官は「米軍は大統領と面会予定であったイラン治安関係者2名を、アル=ジャーディリーヤ地区での軍事作戦で拘束した」と述べ、さらに「ターラバーニーはこのような行動に、大変憤慨しており、拘束された2名のイラン人の可及的速やかな釈放に全力を尽くすことになるだろう」と指摘した。

 同報道官はこれら2名のイラン関係者の身元、及び拘束された時間に触れることなく、「これら2名の関係者は、大統領がイランを訪問した際にイラクとイランの間で合意・署名された治安協定のために、イラクを訪れていた」とだけ述べた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:4240 )