年明けにEU正式加盟のブルガリア、EUの新たな悩みに? -国内のムスリムは80万人(Milliyet紙)
2006年12月28日付 Milliyet 紙

ロイターによると、1月1日にEU加盟するブルガリア国内の80万人のムスリムの持つ伝統や文化が、EUの協調を妨げうると予想されている。

トルコで議題に上り続けるテーマのひとつであるスカーフ問題は、2007年1月1日にヨーロッパ連合(EU)に加盟するブルガリアのムスリムたちによって、EUでも問題となることとなった。イギリスのロイター通信の評価によると、ブルガリアの人口790万人のうち12%を占めるムスリムたち(人口の9.4%を占めるトルコ人はこれに含まれる)の服装や習慣は、EUの中で調和を脅かす問題を起こしうる。
ロイターに対し語ったトルコ系ブルガリア人の大工サリヒ・クトソウは、EU加盟による裕福な未来を喜んでいると述べる一方で、「将来私が結婚する人がスカーフを被ることは、EUにおいてどう受け止められるのだろうか?」と懸念していると話した。ブルガリアではトドール・ジフコフの時代を除き、キリスト教徒と協調して生活してきたと話すサリヒ・クトソウは、「ここのキリスト教徒の友人は皆、私に敬意を示してくれている。しかし、ヨーロッパではどうかと考えると、確信は持てない。わからない。」と語った。

■オスマン帝国の領土

何世紀もの間大規模なムスリム人口と共存してきたブルガリアが、EUの中でこの特徴を持つ唯一の国となると強調するロイターによると、オスマン帝国がヨーロッパに拡張した領土に位置しトルコ系住人を抱えるこの社会は、キリスト教徒と隣接した文化を基に調和の中で存続してきた。しかし、近年ヨーロッパにある反ムスリムの風潮の影響もあって、学校ではスカーフ着用が禁止され始めている。
クトソウは、「物事が良い方向に動くこと、そしてスカーフ問題が解決することを願っている。将来の妻が嘲笑されることなくスカーフを被れることを望んでいる。」と話した。
ロイターは、ブルガリアにおけるムスリム国民のほとんどはEUへの加盟後、彼らに対する差別を期していないこと、しかし専門家たちはこれと全く逆の動きを確信していることを強調した。ロンドンとマドリードへの攻撃後、ヨーロッパでは反ムスリムの態勢が強まり、ムスリム文化のいくつかの要素が禁止されたことに注目したロイターは、フランスの学校でスカーフ着用が禁止されたこと、イギリス首相トニー・ブレアはムスリムの(他者と異なる)相違点としてスカーフを見ていることを指摘した。
イタリア首相ロマノ・プロディも、ムスリム女性たちがヨーロッパ文化に適応するよう促した。
ソフィア大学のシメオン・エヴスタティーヴは、「スカーフ問題はフランスからブルガリアに輸入された。この問題はこの国に現存する調和を脅かすかもしれない。」と警告しながら、グローバル化する世界においてオスマン帝国時代後の良い協調のモデルが再び定義される必要があると述べた。
ブルガリア以外のヨーロッパ諸国に住むムスリムは、後に移民としてやってきている。ドイツには230万人のトルコ人を含む340万人のムスリムが、フランスには50万人のトルコ人を含む640万人が在住している。




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( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:4241 )