続報 テヘラン資産家女性連続殺人事件共犯の容疑者女性:「主犯の男は私を脅していた」 ハムシャフリー紙
2006年01月21日付 Hamshahri 紙


2006年1月21日付ハムシャフリー紙事件面

【事件部:アーザーデ・モフターリー】警察はテヘラン資産家女性殺害事件の捜査で、拘留した男を取り調べの後に釈放した。

 当紙の報告によると、両手を椅子に縛りつけられ、取り調べを受けているのは、まだ年若い女性であった。女は落ち着いた表情を変えることなく、あたかも陰惨な事件などなかったかのような様子で、テヘラン首都警察第10課ブースターン少佐の取り調べに応じた。女の顔を間近で見れば、彼女がテヘラン連続殺害事件の共犯者として3つの殺人に関わっていたとは、にわかには信じられないだろう。

 事件の共犯者アァザム(22歳・女性)は教育学部の学生。同容疑者に対して、警察に逮捕されると考えたことは全くなかったのか、と尋ねた。アァザム容疑者はうつむいたまま、何も答えなかった。人生を棒に振ってしまったということ、これからのすばらしい人生を刑務所の柵の中で過ごさなくてはならなくなるということについて自覚はあるのか、という問いに対しては、ただうなずいて答えるだけであった。

 殺人を計画した主犯のアリーレザー(29歳・男性)に、いつか自分も殺されるかもしれないと考えたことはなかったか、という質問には、少しだけを声を大きくして、はっきり「もちろんそう考えた。でも、私も彼が怖かった。あれ以上、彼と一緒に殺して金を奪うつもりはなかった。でも、アリー・レザーに反対する前に、私たちは警察に逮捕されてしまった」と答えた。

 この事件の捜査官が記者の質問を遮ったため、聞こうと思っていた質問に対する容疑者からの回答は得られずじまいとなってしまった。アァザムの母親は水曜日、刑事検察庁とホナルマンド判事の事務所を訪れ、悲嘆に打ちひしがれた表情を浮かべ、泣き声交じりで同判事に次のように訴えた。「私の娘は本当に純真な娘なんです。信じてください。娘はアリー・レザーにだまされただけなんです。信心深く、けがれを知らぬ娘なんです。父親が破産したために、娘は精神的なショックを受け、学費の支払いで経済的困難に直面していました。何も知らない娘なんです。若さに免じてお許しください」。

ホナルマンド判事不在の現場検証

 アァザムとアリー・レザー両容疑者は先週火曜日、首都警察第10課の刑事らに伴われて事件現場を訪れ、判事不在のまま3箇所の事件現場の再現を行った。

 ホナルマンド判事は水曜日、本紙ハムシャフリーの記者に対して、「現場の再現の際に撮られたビデオを私はまだ確認していない。現場再現に不備があれば、もう一度殺害現場の再現を行う予定」とした。

 このような重大事件にもかかわらず判事不在で現場再現を行うことは、捜査に不備をきたすのではないか、との質問に対して、司法関係筋は、「現場の再現は、事件の様々な側面に関して、より正確な捜査を行うことが目的だ。容疑者は、取り調べ室での警察による取り調べの過程では、事件時に起きた事実の多くを忘れてしまっていることがある。しかし、殺害現場に立てば、容疑者はこれまで口にしてこなかった事実を、無意識に語り始めることがある。容疑者らの殺害現場での精神状態や身振り、さらには口調が、警察や検察当局者にとって重要なのだ」と話した。

 同関係筋はテヘラン連続殺人事件について、「私の知る限りでは、主犯の男は犯行を明確に自供している。凶器や盗品は彼のもとから発見されている。これらは被疑者による犯罪を証明するのに、十分な証拠だ。この種の事件では、担当判事が現場検証に同席する必要はないかもしれない。しかし、いずれにしろ私の個人的な意見では、担当判事が再現された現場を直接監督することは、容疑者が犯罪を犯したかどうかを確信を持って判断する際に、極めて有効な材料になるのではないか」とした。

 モハンマド・トウラング「ファーテブ広報センター」所長は、この事件で新たな人物が容疑者として逮捕されたのかどうかについて質問したところ、「強盗殺人の計画をアァザムもちかける以前に計画を別の人物に話した、とする主犯の男の証言にもとづいて、警察はある別の男をアリー・レザーの共犯者として逮捕した。しかし、この人物は取り調べで『アリーレザーは嘘をついている。彼は強盗殺人の件を私にもちかけたことは全くない』と自身の関与を否定した」と話した。トウラング所長は続けて、「この人物は取り調べの後、釈放された」と話した。

 同所長は、首都警察第10課でのアァザムとアリー・レザーの取り調べについて、目下、容疑者は殺害に及んだ事実を供述し、動機も警察の求めに応じて話し、現場再現も行われたとし、「まだ司法解剖の鑑定結果が警察や司法当局に届いていない。その結果が明らかになるまでは、容疑者の供述を完全に認めることはできない」とした。

 主犯の容疑者が個人あるいは複数の人間から、何かしらの動機でもって(殺し屋として)雇われた可能性はあるのかどうか、という質問に対して、同氏は、警察はあらゆる側面から、正確に事件の捜査を進めるだろう、と話した。

 さらに続けて、「盗品を買い取ったとして、当初警察に逮捕されていた主犯アリー・レザーのいとこが、取り調べの中で矛盾する供述をしていたため、現在、犯罪を知りながらそれを見過ごしたのではないかとの容疑で、依然として取り調べが行われている」と話した。

 一部全国朝刊紙は、容疑者が逮捕される以前に、事件の被害者らは「ゴールドクエスト」〔イランで流行した、金貨の売買に絡んだネズミ講事件。ゴールドクエスト社は香港を拠点とし、インターネットを通じて売買をおこなっていた〕のメンバーから選ばれたのではないかとの情報筋の証言を、一面見出しにてテヘラン市民に伝えていた。しかし、タラーイー司令官は両容疑者が逮捕された日の記者会見でこれを否定し、「容疑者らがネズミ講メンバーらに復讐する目的があった、という話は聞いていない。〔ゴールドクエスト問題については〕社会的に満足行く解決が得られている」としている。

 両容疑者に対する警察の捜査では、ゴールドクエストのメンバーに対する復讐という側面は、どれほどの重要性を占めているのか、という質問に対しては、トウラング所長は「被害者のうちの一人がゴールドクエストのメンバーだったにすぎないが、この線での捜査も進められている」と話した。

 この重大な殺人事件は、首都警察第10課長のアッターイー大佐やホナルマンド判事らの監督の下、今後も捜査が続けられる模様だ。

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( 翻訳者:久野華代 )
( 記事ID:1754 )