アフマディーネジャード大統領、カタール首長と会談 ハムシャフリー
2006年12月01日付 Hamshahri 紙

2006年12月1日付ハムシャフリー

【ハムシャフリー・オンライン】ドーハを訪れたアフマディーネジャード大統領は、カタールを初めとするペルシア湾岸諸国とあらゆる分野で関係を拡大させることが必要だと強調した。

 ファールス通信の報道によると、マフムード・アフマディーネジャード大統領は今日(アーザル月10日〔12月1日〕金曜日)、カタールの首長と1時間以上にわたり会談を行い、次のように述べた。「ペルシア湾岸諸国との関係は同胞愛、友愛に基づくものであり、国が大きいか小さいかは重要ではない。むしろ重要なのは、関係のレベルを上げ、地域諸国民の間に存在する共通の宗教的・文化的・歴史的紐帯を深めるために、広く協力を行うことである」。

 同大統領は、前回のカタール首長のテヘラン訪問時に両国間で結ばれた合意や条約について触れ、これらの合意の実施状況は満足の行くレベルにあるとの見方を示し、さらに次のように付け加えた。「特にエネルギーや共同投資、財政・金融問題、専門家の人材派遣、治安協力などの分野において、両国の協力共同委員会がその活動をより活発にすることは、イラン・カタール関係に輝かしい未来をもたらすであろう」。

 大統領はまた、自らの発言の別の箇所で、地域諸国の間に分裂を引き起こそうとするアメリカの干渉政策に言及し、イラクでの米英の敗北を指摘した上で、次のように語った。「イラク占領者たちはもっとも辛い状況におかれており、イラクから逃げ出るための方法を探っているところだ。しかしその一方で彼らは、イラク国民の間に分裂を引き起こし、民族・宗派感情を刺激することで、イラクの緊張と混乱を煽り、イラク政府とその国民が力を持つことを阻もうとしている。それゆえ、地域諸国は一致協力して、イラク占領者たちの分裂扇動政策の実現を阻止しなければならない」。

 アフマディーネジャード大統領はまた、アメリカ国内の複雑な状況、及び最近のシオニスト体制に対するレバノン国民の抵抗の勝利に言及して、次のように述べた。「エルサレム占領体制は落ち目だ。もっとも重要な支持者であるアメリカの政策も、世界の諸国民、さらにはアメリカ国民からも批判を受けている。アメリカの指導者の一部は、もはやこの偽りの体制を生き長らえさせたところで、何の得もないとの理由から、シオニスト体制に対する支持継続に疑問を持ち始めている」。

 カタール首長もこの会談の中で、地域・国際問題で両国は極めて近い考えを有しているとし、さらにイラン・イスラーム共和国との良好かつ密接な関係はカタールにとって重要であると強調した上で、「地域諸国間の協力関係の深化・拡大は、地域の平和と安定の強化、及び近隣イスラーム諸国の発展を可能にする」と述べた。

 シェイク・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニー首長はイラン大統領がアジア大会開会式出席の招待に応じてくれたことに感謝の意を表明した上で、「イランとカタールを初めとする地域諸国は、一部の敵の思惑に留意することなく、あらゆる分野での関係拡大に向けて行動する必要がある」と語った。

 首長はさらに、米英軍のイラクからの撤退の必要性について強調して、次のように述べた。「地域のすべての国は、イラク国民の間、特にシーア派とスンナ派の間の分裂の拡大と衝突を防ぐべく努力する必要がある。なぜなら、このような対立は敵の思うつぼであるからだ。それを阻止するためには、シーア・スンナ両派の宗教指導者間の関係を強化すること〔が必要であり、そうすること〕で平和と友好〔を促進し〕、敵の思惑の実現を阻むための基盤を作り出すことができよう」。

 カタール首長はまた、同国はあらゆる分野でイラン・イスラーム共和国と関係を拡大させる用意があるとした上で、「地域諸国の協力関係に関して留意すべきもっとも重要なことは、何千キロも離れた国々から影響を受けることなく、意思決定を行うことである」と語った。

 シェイク・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニー首長は地域諸国、中でもイランとカタールの間での治安協力は両国の最大限の関係拡大を可能にするとした上で、「外部の国々の思惑を満足させようとの一部の者たちの願望が、ペルシア湾地域諸国の関係に反映されるようなことを許してはならない」と語った。

 その上で同首長は、「カタールは反イラン的な動きに同調することはない。そればかりか、全力を尽くして、そのような政策が実行されるのを阻む所存である。なぜなら、強力かつ堅固で、発展したイランの存在は、地域のすべての国にとって有益だからである」と述べた。

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訳註:カタール首長のこれらの発言は、アメリカがアラブ首長国連邦を反イラン活動の拠点にしているとして、先日イランが同国に対して抗議を行ったことを念頭に置いたものと思われる。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:4034 )