ギリシャとマケドニア、アレキサンダー大王を「取り合い」(Radikal紙)
2006年12月30日付 Radikal 紙

ギリシャとマケドニアの間で、共有されざる人物であるアレキサンダー大王をめぐって、また緊張が高まった。アテネが「ギリシャ人」、スコピエ(マケドニア)が「マケドニア人」とみなすアレキサンダー大王の名を、首都にあるスコピエ空港に冠する決定がなされるや、ギリシャでは大ブーイングが起こった。すぐに、ギリシャではドラ・バコヤニ外務大臣がコスタス・カラマンリス首相と会談し、「歴史は、2300年経とうと変わらないし歪曲されていいものでもない。アレキサンダー大王はギリシャ文明を全世界に広げたギリシャの将軍である。スコピエのこういった振舞いは、友好的隣国関係のためになすべきことと相容れないものである」とこの決定を批判した。バコヤニ外務大臣は、以前より、何か偽の証拠を探そうと躍起になっていると非難していたスコピエ(マケドニア)に、「EUとNATOへの加盟には不利に働く」と間接的な警告をしていた。

ギリシャのメディアは、この事件を「大挑発」だとする一方で、マケドニア外務大臣のアントニオ・ミロソスキーは、自分たちは不正なことをしているのではないと主張した。ミロソスキ-は、政府が「マケドニアのアレキサンダー」という案があったにもかかわらずそのかわりに「アレキサンダー大王」の案を選んだことも悪意のない証拠であるとし、「この決定は挑発ではない。マケドニア人の将軍は、一国のもしくは一民族のものでなく、全人類の遺産である」と述べた。

ギリシャはカヴァラにある空港の名を「アレキサンダー大王」とし、テッサロニキにある空港にも「マケドニア」という名称をつけている。アテネ(ギリシャ)が、旧ユーゴスラビアの解体で1991年につくられたマケドニア共和国の国名に異議を唱えていたことは知られている。「マケドニア」とはギリシャの北部の名称でもある。そしてアテネ(ギリシャ)はトルコ、アメリカ、ロシア、中国といくつかのヨーロッパ諸国を含む多くの国々が「マケドニア共和国」として承認している国が、いくつかの国際的機関では「マケドニア旧ユーゴスラヴィア共和国」(FYROM)の名称で言及されていることを主張している。16年間、マケドニアという国名使用禁止を含む様々な試みを行ってきたギリシャはまた、その土地(マケドニア国)にマケドニア民族がいないことも主張している。

■「マケドニアシンドローム」が随所に!

「マケドニアシンドローム」は、面白い事件を引き起こした。マケドニア航空に属する飛行機が飛行中に故障し、アテネに緊急着陸すると、機体の「ヴェルギナの太陽」(古代マケドニア王朝のシンボル)のマークが布で覆われた。またイスタンブルを訪れたギリシャの新聞記者一行は、彼らが好んで食べた「イスケンデル・ケバブ」の名前を知ると怒り出し、イプシロン誌で批判を書いて掲載している。それでも、EUへの加盟を2004年に申し出たマケドニアの最大の投資者は、ギリシャなのである。


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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:4255 )