Türker Alkanコラム:痩せ細る地球-総人口1億人の2050年のトルコを考える-
2006年12月03日付 Radikal 紙

堂々巡りの数値に関するアピールというのがある。ある時、エルバカンがそれにとらわれた。

「10万台の戦車、10万機の戦闘機を建造する予定であります」とぶちあげた。認可されなかったらしい。そもそも、わが国には、それほどの戦車と戦闘機を配備する場所もなかったし、操縦する人手もいなかった。実際のところ、エルバカンは人口増加を求めていた。「それら戦車・戦闘機ができたあかつきには、わが国の人口も1億人に達するべし」と言って譲らなかった。今は亡きトゥルケシュも同じように考えていた。「人口1億のトルコ」と語るとき、彼らの目は輝いていた。

実のところ、私の父は彼らと同じように考えていた訳ではなかった。私に7人目の兄妹が生まれたころには、彼が、家族計画に異を唱えるこれらのリーダーたちを肯定的に語ることはなくなっていた。しかし、トルコのお父さんたちとお母さんたちの努力の結果、魔法の数字である人口1億人は今後達成されるということだ。2050年にはわが国の人口は1億人に達するらしい。

今でさえ、トルコの各都市は、窃盗団、交通渋滞、環境問題、失業のせいで暮らし辛くなっているというのに、読者の皆さんは50年後の街の姿を想像できますか?私は、仮に生きていても、そんな混沌の中で暮らしたいとは思わないのが、本音のところ。

子供がどうやって生まれるのかを知っているのは、私たちだけでは――もちろん――ない。現在、中国とインドの人口を合わせると24億人だが、2050年には30億人を超す見通しだ。

トルコ、中国、インド、ブラジル、メキシコ・・・これらが急速な出生率上昇が進む国々である。これら全ての国の人口増加のペースは著しいが、2050年にはこの4カ国(上位?もしくは5カ国の誤植か?:訳者)合計の総人口は37億5千万人に達するとされる。つまり、世界の総人口の半分を占めるのだ!

出産は、本当に素晴らしいことだし、美しいことだ。だけど、その代償だってある。

高い出生率がこのまま続けば、全ての中国人とインド人が、自分の家の門のところに高級車をとめたいと考える――そんな日がくるのは近い。

この消費欲が、少なくとも、1人のアメリカ人やヨーロッパ人が持つ消費欲と同じくらいには「まっとうな」ものであることは言うまでもない。

ただ、この地球は、この消費に耐えていられるのだろうか?

私たちは、地球の天然資源や環境が持つ潜在能力の限界に達してしまっていたのではなかったか?

子供が生まれたと手を叩いて喜ぶけれど、そういう時には、私たち誰もがこのことを忘れてしまっている。

イギリス人環境学者ジェームス・ラブロック氏によれば、地球の大気は今後100年間で8℃上昇すると予想され、そうなった場合、地球全人口の1割しか生存できないという。

私は訊いてみた。「すぐに抑制策を講じれば、私たちが地球への害の原因に立ち返って策を講じれば、効果はあるのではないですか?」

「いいえ!」ラブロック氏は述べた。「非常に困難ですよ、たとえ気温8℃上昇というのが様々な条件が重なりあった上での予測であってもね・・・・」

おそらく、イギリス人科学者ステファン・ホーキング氏の提案にこの解決策はある。

「宇宙のどこかの惑星にコロニー(植民都市)を建設しましょう」と、ホーキング氏は述べる。「そうすることで私たちの将来は保障されるのです。」

しかし、この提案にはささやかながら異議がふたつ。

まず、この計画がイギリスの帝国主義的足跡を辿っているのではないか、ということ。次に、私たちは、自分たちが降り立つことになる惑星を、地球の場合と同じように、汚して、壊して、悪行を尽くした挙句、放ったらかさないなどとは保証していないこと。

私たち人間が脳みそ(知性)を持つようになってから、地球は痩せ細ってしまったわけだ。その上、宇宙をも私たちは壊している。決して冗談で済ませられる話じゃありませんよ!

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( 翻訳者:長岡大輔 )
( 記事ID:4047 )