欧州委員会の新議長国オーストリア、トルコの完全加盟に後ろ向き(Milliyet紙)
2006年01月03日付 Milliyet 紙

EUの議長国がイギリスからオーストリアに引き継がれ、今期議長国オーストリアから好ましくない声明が発表された。オーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相は、クロアチアとマケドニアの正式加盟の見通しを示す一方、トルコの加盟は明確ではないと述べた。オーストリアのウルスラ・プラスニク外相もオーストリアが議長国期間中に「トルコとの本格的な加盟交渉は始まらないだろう」と語った。

年初から6カ月間EUの議長国となるオーストリアは、初回の会見でシュッセル首相とプラスニク外相を通じてトルコ側に否定的なメッセージを送った。シュッセル首相は、ヘラルド・トリビューン紙に掲載された談話で、トルコはEU正式加盟を成し遂げられないだろうとの見解を示した。ルーマニア、ブルガリア、クロアチアのEU早期加盟実現のために尽力すると述べたシュッセル氏は、ルーマニアとブルガリアは2008年までに、クロアチアとマケドニアもそのすぐ後に正式加盟しうると語った。これに対しトルコは加盟候補国にはふさわしいが交渉の結果を今から予測することは不可能であるとする同氏は、「今現在トルコのEUへの加盟が唯一の選択肢であるかどうかということは誰も決められない」と続けた。
プラスニク外相も英国タイムズ紙に対し、トルコ政府の期待に反して本格的な加盟交渉は2月や3月には開始されないだろうと語った。

■「歴史は繰り返される?」
英国タイムズ紙は論説の中でも、オーストリアが議長国の期間中に歴史は繰り返される、すなわちオーストリアがウイーン包囲後と同じように再びトルコ人をヨーロッパの門外に足留めするのではないかと主張した。オーストリアが1683年にポーランドとの同盟により、トルコの第2次ウイーン包囲を失敗に終わらせたことを引き合いに出した同紙は、オーストリアが今日似たような役割を果たそうとしていることを「皮肉な状態」と評した。タイムズ紙は、トルコは本格交渉が今年の前半に始まることを期待しているとも伝えた。

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( 翻訳者:栗林 尚美 )
( 記事ID:1635 )