ムハンマド風刺画問題で独外相、トルコの対応を称賛(Milliyet紙)
2006年02月10日付 Milliyet 紙

ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外相は、預言者ムハンマドを描いた風刺画が原因となって引き起こされた問題の解決に、トルコが理性的かつ建設的な役割を果たしていると述べた。

シュタインマイヤー外相は、外国人記者のために首都ベルリンで開いた記者会見で、風刺画問題の解決においてトルコが果たしうる役割をただしたデンマーク人記者の質問に対し、次のように答えた。
「デンマークのアナス・フォー・ラスムセン首相は、この問題に関してトルコが建設的な役割を果たしうるとの見解を示した。私はトルコのアブドゥッラー・ギュル外相と会談したが、トルコは風刺画問題に対して理性的かつ建設的な役割を果たしている。エルドアン首相とスペインのサパテロ首相もこの問題について共同声明を出したことを新聞で知った(※1)。この声明で示された姿勢に私も賛成だ」。
シュタインマイヤー外相は中東訪問の帰途、アンカラを訪れ、4時間滞在する。2月14日にギュル外相と会食し、預言者ムハンマドの風刺画問題拡大後の対応について話し合う予定で、文化間の対話による具体的な解決策の提案を行う見込み。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相との会談も予定している。

■ロシアのプーチン大統領も支持
ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、スペインでの首脳会談後、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相との共同記者会見の席上で、「文明間同盟」への支持を繰り返した。プーチン大統領は、文明間同盟の共同議長を務めるサパテロ首相とエルドアン首相が風刺画問題に関連してインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に掲載した「沈静化の呼びかけ」の共同声明への支持も表明した。
ドイツのヴォルフガング・ショイブレ内相も、エルドアン首相がイスラーム諸国に不快感を与えた風刺画について発表した声明を評価していることを明らかにした。ショイブレ内相は、ベルリンでの文書による発表の中で、トルコ政府の行動に対して謝意を示した。

■アーシューラー祭のレバノンでは抗議行動
レバノンの首都ベイルートでは昨日、25万人以上のシーア派住民が、アーシューラー祭(※2)の儀式の最中、風刺画への抗議を行った。ヒズブッラーの司令部がある地区では、デンマーク国旗に鍵十字をあしらったプラカードを掲げてデモ行進した。南アフリカ、バングラデシュ、インドのカシミール地方、グルジア、インドネシアでも風刺画掲載への抗議行動が行われた。イスラーム諸国においてデンマーク人を補佐する仕事に就く人々に対しては、アーシューラー祭の行事には近づかないよう勧告が出された。

(※1)フランスの英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンに2月5日付で掲載された、両首相による、風刺画問題の沈静化を呼びかけた共同声明。http://www.iht.com/articles/2006/02/05/opinion/edprimes.php参照。
(※2)アーシューラー祭:ヒジュラ暦61年(西暦680年)1月10日(アーシューラーの日)に殉教したシーア派指導者フサインを悼んで行われる祭。(『イスラム事典』平凡社、1982年、参照。)


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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:1878 )