原油輸出停止に備えたIEAの対応策とアーザーデガーン油田開発の行方 シャルグ紙
2006年02月13日付 Sharq 紙

2006年2月13日付シャルグ紙10面

【レザー・ザンディー】国際エネルギー機関(IEA)は、イランが原油輸出を停止した場合、世界の原油供給不足を補填する用意がある旨発表した。パリでのBFMラジオとのインタビューの中で、IEA事務局長は、「仮にイランの原油輸出が停止された場合でも、IEAは1年と半年の間、世界の原油供給不足をカバーすることができる」と述べた。

 クロード・マンディル事務局長はまた、IEAが保有している戦略備蓄について、「IEAの戦略備蓄量は、およそ40億バレルに達する」と述べた。この量はイランが輸出する18ヶ月分の石油量に相当する。

 IEAは、世界でも主要な原油輸入国に数えられている27の国々により構成されている。IEA事務局長による先の発言は、先週IAEA(国際原子力機関)理事会が決議において、イランの核問題を安保理へ報告することに合意したことを背景にしたものだ。イランの核問題やナイジェリアの不安定な政情などの影響で、かなり前から価格の上昇傾向が続いていた原油市場は、今回のIAEAの措置に再び反応を示し、アメリカ産の軽質原油価格は1バレルあたり1ドル以上上昇する事態となった。

 IEA事務局長がイランの原油輸出停止への対応策を述べる一方で、セイエド・カーゼム・ヴァズィーリー=ハーマーネ石油相は最近のOPEC会合において、「イランには原油輸出を停止する理由は見当たらない。原油の議論を政治と混同させることはしない」と明言していた。IEA事務局長の発言は、政治・経済・石油の各分野の根幹に、様々な意味を示唆するものだ。

(中略)

■ 日本企業には今年末までの猶予

 イラン石油技術開発会社(MATN)の代表取締役は、ファールス通信に対し、「INPEX(国際石油開発株式会社)は、イラン暦で今年末(西暦2006年3月20日)までに、アーザーデガーン油田開発の方向性を決定しなければならない。これが彼らに与えられた最終期限だ」と語った。

 アボル・ハサン・ハームーシー代表取締役はまた、「残された時間を考慮すると、INPEXは、請け負った契約を遂行する能力があるのかないのかをはっきりさせなければならない」と言明した。

 同代表取締役は、日本企業が開発を遅らせている理由について、「日本側は、合意した価格では開発は行えないと考えており、われわれに価格を再検討するよう求めている」と明らかにした上で、次のように述べた。「契約締結の際、すべての契約内容に関して経済評議会の認可と承認を得ている。したがって、いかなる内容であれ、それを変更させるには、経済評議会による新たな認可が必要だ。いったん締結された契約を修正することなど、容易にはできないのだ」。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1892 )