EU議長国オーストリア、風刺画問題でトルコに期待(Milliyet紙)
2006年02月16日付 Milliyet 紙

 ヨーロッパ連合(EU)は、風刺画問題に対する共同声明を発表するための討議を行った。トルコがEUから重視されるのはイスラームと西洋それぞれの価値が共存する文化を持つためだ。欧州議会における風刺画問題について開かれた会議で今期の議長国オーストリアは、トルコが2つの文明間の「架け橋の役割」を果たすことに強い期待を示した。
 オーストリアのヨーロッパ問題担当大臣ハンス・ウィンクラーは、風刺画問題がもたらした環境を克服することに躊躇はならないと述べた。ウィンクラー担当相は、EUは対話を重視していると述べ、トルコがこの問題で重要な役割を果たすとの考えを示した。

■エルドアン首相との会談に触れる
 問題の紛糾を受けて、EU議長国としてエルドアン首相とギュル外相との会談を思い起こしたウィンクラー担当相は、「ヨーロッパとムスリム社会の間で果たす重要な役割を持つトルコに対して、この対話に意欲的に参加してもらうことに決めた。」と述べた。
 欧州議会における議論の主要な意見として「言論の自由を議論することできなくなっている。しかし、この自由の行使には責任を伴うという意識を持って行動する必要がある。」というものがあった。「問題克服のプロセスではEUの全機関が、統一した意見のもとに行動する必要がある。」また、「EU加盟国の1国へのボイコットや攻撃は、EU全体に向けられたものと見なされる。」という主張が出席者の大多数の意見として占められた。
 会議で発言した欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は、ヨーロッパに対する暴力的でない反発であれば問題視はしないと述べた。バローゾ委員長は、表現の自由が議論されていないと述べた上で「ある個人が表明した視点のために政府あるいはその国民が責任を負うことはない。」と述べた。
 デンマークのポール・ニューロップ・ラスムセン議員[元首相。ラスムセン現首相とは別人]は、風刺画は「間違い」であったと述べ、イスラームという宗教に無知であったことが原因だったと述べた。キリスト教民主グループのリーダー、ハンス・ゲルト・ペッテリング議員は記者の代表に「落ち着いた責任ある」行動を呼びかけ、宗教的な偏見を取り除くために学校の教科書を詳しく研究することを提案した。

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( 翻訳者:高田利彦 )
( 記事ID:1917 )