本紙編集長、記者会見にて風刺画コンテストについて説明:「真実を解明することはプレスの役割」 ハムシャフリー紙
2006年02月15日付 Hamshahri 紙

2006年2月15日付ハムシャフリー紙

【政治部】昨日、国際風刺画コンテスト《表現の自由の境界はどこにあるのか?》に関する記者会見が開かれ、国内外のメディア数十社が会見に集まった。この会見でハムシャフリー紙のモハンマド・レザー・ザーエリー編集長、及びイラン風刺画協会会長のマスウード・ショジャーイー・タバータバーイー氏は、同国際風刺画コンテストの詳細につき、説明を行った。

▼コンテストのアイディア

 ザーエリー編集長はまず会見の冒頭、コンテストはアラブ首長国連邦の一ムスリム市民から想を得たものであることを明かした。「この問題〔預言者ムハンマドに対する風刺画問題〕が持ち上がった日、私はアラブ首長国連邦のムスリムらがデモを行っている写真を目にした。その中であるデモ参加者が、『西洋における表現の自由は、ホロコーストのようなテーマについて意見を表明することを許すものなのか、それとも西洋における表現の自由とは、ムスリムが神聖視するものに対する侮辱だけを許すものなのか』と書かれたプラカードを手にしていた」。

 同編集長はさらに、次のように続けた。「この問題が持ち上がった時、一メディアとして、ハムシャフリー紙は自らのプロとしての職務を果たし、この問題について取り扱おうではないか、ということになり、モルタザヴィー氏とその同僚らがコンテストの開催を提案した」。同氏はさらに「われわれは芸術に対して、尊敬の念を抱いている。社会に積極的に関わろうとする芸術運動を、大変価値のあるものであると考えており、そのようなアーティストを高く評価している」と付け加えた。

▼問いの提起

 ザーエリー編集長はまた、「われわれの立場は攻撃的なもの、扇動的、扇情的なものではない」と強調した上で、次のように語った。「われわれは国際世論、世界の人々の考え方を尊重している。われわれは、われわれだけがまっとうな考え方をもっているなどとは、全く考えていない。他の人々には理解能力がないなどとは、全く考えていない。むしろわれわれが求めているのは、問いと答えを提起することなのである」。

 同氏はさらに、次のように付け加えた。「このコンテストでわれわれが意図しているのは、揶揄したり嘲笑したりすることではない。すでに述べたように、このコンテストを開催することのわれわれの意図は、問いを提起し、その答えを得ることである。このことを真に強調したい。風刺画コンテスト《表現の自由の境界はどこにあるのか》を開催する目的は、失われた真実を得ることなのだ」。

 同氏は会見の中で、さらに次のように続けた。「われわれはホロコーストという出来事に関して、歴史学的な議論を求めているわけでもない。西洋はホロコーストが事実であると信じている。われわれは、この事実が実際に存在したということを前提とした上で、それではこの出来事に関して風刺画を描くことはできるのか、ということを問いたいのである」。

▼真実の解明

 ザーエリー編集長はまた、次のように付け加えた。「われわれが感じているのは、西洋がそれ〔ホロコーストの真実性〕について恐れを抱いているのではないか、懸念を抱いているのではないか、ということだ。誰かが真剣に真実の解明へと立ち上がり、問いを発することが必要だ。問いはつねに、真実へと至る最初の一歩である。問い、疑念、懐疑、これらこそが確信への最初の一歩となる。確信や真実に支えられた人間は、問いを恐れない」。

▼二つの提案

 ザーエリー編集長は会見の続きで、次のように二つの提案を行った。「もしイランのハムシャフリー紙と同じ立場の新聞が世界に存在し、〔われわれとの協力に〕前向きな姿勢を示すならば、われわれも最大限の誠意をもって、共通のテーマで一緒に特集号を組む用意がある。彼らは、記事執筆の許可をわれわれに与え、それを発行する。その代わり、われわれも彼らに記事執筆の許可を与え、検閲することなく、それを発行する」。

 同編集長はもう一つの提案として、デンマークの風刺画家に向けて、次のように話した。「自らの罪を軽くするためにも、ハムシャフリー紙の風刺画コンテストには是非参加していただきたい。そうすることで、自らの改悛が神の御前で聞き入れられるかもしれない。彼らには、特別に別枠を設ける用意もある」。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1920 )