ムハンマド風刺画をめぐる危機的状況打開のためのサミットにも亀裂か(Milliyet紙)
2006年02月26日付 Milliyet 紙

国連のコフィ・アナン事務総長が、イスラム諸国における流血のデモ行動の原因となった預言者ムハンマドの風刺画騒動を解決するため、ヨーロッパおよびイスラム諸国の代表者をカタールで会談させる呼びかけを行ったが不成功に終わった。トルコからはギュル外相が出席したが、参加を表明していたEU会期議長国であるオーストリアのウルスラ・プラスニク外相とEU安全保障・外交政策担当のソラナ代表は、土壇場になって出席を取りやめた。
 アナン氏は昨日カタールの首都ドーハで行われた会談に、イスラム諸国を代表するイスラム会議機構(İKÖ)のエクメレッディン・イフサンオール書記長、アラブ連合書記長アムル・ムーサ氏、開催国であるカタールのシェイフ・ハムド・ビン・ジャシム・ビン・ジャビル・アル・ターニ外相、ヨーロッパからはプラスニク外相とソラナ氏を招待した。さらに、両文化の代表者としてギュル外相、スペインのミグエル・モラティノス外相も呼ばれた。
 ところが、公開される声明について、プラスニク外相が風刺画を理由にEUを非難する表現を入れないよう要求すると同時に、表現と出版の自由がかならず強調されることを条件にしたため、交渉は凍結された。
 提案された草案ではEU加盟25カ国の同意を得られそうにないと見たプラスニク外相はカタール訪問を中止した。続いてソラナ代表の欠席もドーハに伝えられた。

 結局6人の代表が出席した会談のあと発表された共同声明では、「思想の自由は憎悪を広めるために使われるべきではない」との見解が示された。会談の最後にアナン事務総長は記者会見でこの声明を読み上げ、風刺画騒動によって社会に深い亀裂が生じたと述べるとともに、良識ある行動と冷静な対応を呼びかけた。



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( 翻訳者:湯澤 芙美 )
( 記事ID:1973 )