輸入製品の検査体制不備に懸念 -626製品、チェックなしで輸入可能に(Radikal紙)
2006年02月27日付 Milliyet 紙

EU基準適合のため、626種類の製品の税関検査においてTSE(トルコ規格協会)が担当から外された。しかし、代わって検査を任されることになった9つの省には検査機関がない。

中国や東アジアの製品との競合を強いられたトルコの企業家は、新しいEU指針が実施の段階になり再び難題の解決を余儀なくされている。EU指針の施行により、626製品の輸入製品の適合検査においてTSEが担当から外された。今後、これらの製品の検査には関係する9つの省と3つの組織が当たる。しかし、これらの組織には検査機関がない。

626種類の輸入製品は、規格外のものでも検査なしで国境を通過することになる。3-4月期以降、爆発的な輸入の増加が起きることは、企業家や消費者が保護されない状態に置かれることを意味する。トルコが1996年に施行したEUとの関税同盟協定は、EU加盟国に適用されている23種類の製品・品目においてCE(Conformite Europeenne:EUの製品安全規格認証)指標を2000年以降に適用することを規定していた。しかし、この指標の適用はトルコ側が準備を完了させるためという理由で延期されていた。

(今回の措置により)CE指標の適用対象だった23製品・品目については市場での検査体制にゆだねられ、輸入の際の規格適合性の検査もこの枠組みで行われることになった。つまり、これまでTSEが税関で行っていた規格検査の代わりに9つの省と組織が輸入製品のチェックを担当することになるのだ。しかし、これらの組織には23製品・品目に対する検査機関がない。いくつかの省には、例えば商工省には測定器や衛星に関する機関が、また保健省には医療機器やがん具の検査を行う機関があるが、他の製品の検査は物理的に不可能である。

貿易庁(DTM)はEU指針の施行をこれ以上延期できないと考え、年初からTSEによる適合性検査の対象品目数を836から210へ減らした。残る626製品の検査は関係する省や組織へ移された。

■輸入:3-4月期に急増する
検査機関を設けないまま、626製品の検査担当からTSEを外したことにより、税関では検査なしで物が通過できることになってしまう。国内市場での検査は、9つの省と組織が十分に整っていないため、規格に合っているかどうかのチェックはなされえないであろう。

国内の企業家は、輸入業者がこの機会に合わせて世界中に赴いて輸入提携を始めており、3-4月期には輸入量の急増が目に見えて分かる状況になると見ている。最大の損害は企業家や消費者が受けるだろうと予想する産業関係者は、関係する省や組織の検査機関が整備されるまでは、検査業務はこれらに代わってやはりTSEに委ねられるかもしれないと指摘する。

品質の劣る規格外の製品の流入により、多くの製品について国内生産者が閉鎖に追い込まれるだろうと話す産業関係者は、この製品を購入する消費者もリスクを負うと話す。また、近年になって輸入量が激増していることに言及する企業家は、規定外の低品質商品が国内に入ってくることにより、輸出入の不均衡やキャッシュフローにおける赤字が一層増大する結果につながると述べた。

一方で(政府)関係者は、市場検査体制のEU基準適合を図るため、MEDA(EUによる地中海地域経済発展計画)の一貫で2004年2月にスタートした3カ年計画について言及し、23製品へのEU指標の適用においては2007年に見込まれているこの計画の完了が待たれており、計画が実現すれば検査体制の不備も生じないだろうと強調した。MEDAは各省や組織が整備する検査体制の上位に位置する調整組織の構築を目的としている。関係者は、十分な下準備がなされないまま実施に移されたCEの例を挙げ、トルコではCEの認定機関がなかったため、130のEUの商社が認定を取り扱う代表組織をトルコに開き、その結果何百万ドルもの資金が国外に流出したと述べた。
 
■どの組織が検査機関を設けるのか?
検査機関を設ける省や組織は以下の通り:商工省、農業省、保健省、公共事業住宅省、環境森林省、エネルギー天然資源省、エネルギー市場調整局(EPDK)、運輸省、労働社会保障省、文化観光省、通信局(TK)、タバコ・タバコ製品・アルコール飲料市場調整局(TAPDK)、水産省。

■EUの検査体制はどうなっているのか?
EUでは市場検査のために様々なシステムがある。しかし、共通事項としては、監督責任を複数の組織で共有しているということである。一方、RAPEXと名づけられている上級組織は、オンラインシステムによる製品の集中管理も行っている。

■検査なしで輸入される製品はどれ?
適合検査がなされないまま国内に入ってくる626製品の中には、健康に直接的、間接的に関わる製品が何十もある。鉛の含有により健康に害悪を与える鋳造物や、健康を害する添加物を飲み込む危険のある歯磨き粉などはその一例である。以下のようなものが挙げられる。鉛製台帳、鉛製バンド、鉛製棒、土台用鉛、鉛版、メタル版、錆鉛鋳造物、セット鉛製品、鉛製筒、鉛製扉、バイク・自転車のチェーン、フェルト、ニス、接着剤、焼きレンガ、鋳鉄、雷管スクリュー、ねじピン、ナット、ピン、空調機器、バーナー、衛生機器骨格、照明機器骨格、照明器具、鍵、錠、電球ソケット、ホイールキャップ、サングラス、体温計、電気毛布、プラスチック筒、プラスチック版、ボード版、接合版、絹糸、ウール繊維、セラミックタイル、ウインドウガラス、調理器具

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( 翻訳者:堀ノ内 夏子 )
( 記事ID:1977 )