石油省次官:「ガス・パイプライン事業をインドがやめれば、パキスタンと始める」 ハムシャフリー紙
2006年02月04日付 Hamshahri 紙

【ISNA(イラン学生通信)】「インドが必要とする天然ガス供給の件について、1385年ホルダード月(西暦2006年5月-6月)までにいかなる理由にせよ同国と合意できなかった場合、パキスタンとのガス売買契約を本格化させイラン・パキスタン間ガス・パイプライン事業計画を開始させるということで、パキスタンと合意が得られた」。

 セイエド・モハンマド・ハーディー・ネジャード=ホセイニヤーン石油省国際問題・カスピ海天然資源担当次官は上記のように語り、インド石油相の交代と、ガス・パイプライン事業について同国の政策が変わる可能性があることについて、また次のように語った。「先日インド首相が触れたように、同国にとってエネルギーの確保は、食料の確保に次いで重要なことである。もしインドに《平和パイプライン》が届かない事態となった場合、インドはそれを補うべく、一日当たりさらに60万バレルの原油を輸入しなければならなくなる」。

 同次官はさらに、「発電に使われる一部のガスについては、核エネルギーで代替することも可能である。しかし他は代わりのものを使えない。また、近年の石油価格つり上げや現在の石油供給量増加に対する諸制限によっておこる需要の増大は、石油価格を大幅に上昇させる。息吹き始めたインド経済も、多大な損害をこうむることになるだろう」と付け加えた。

 同次官は、イランとの事業に代わるインドのエネルギー計画について、イラン以外にエネルギーの供給元となりうる国は3つあると語り、次のように付け加えた。「カタールはすでにアメリカと多くの契約を結んでいるため、おそらく今のところ新たな契約を結ぶ意思はないだろう。加えてアラビア海の深水からパイプラインを引かなければならない状況を考えると、実現に多大なコストと困難を伴うことは避けられない」。

 また続けて同次官は、次のように語った。「2番目の候補国はミャンマーだ。しかし同国のガス埋蔵量は多くない上、海を経由したパイプラインは非常に困難かつコストがかかる。インドとバングラデシュとの対立のため、陸路での輸送も非現実的である」。

 ネジャード=ホセイニヤーン次官は第3の候補国としてトルクメニスタンを挙げ、「同国のガス埋蔵量も多いとはいえず、またアフガニスタンを経由させるのも、ある種困難である」と語った。

 また次のようにも語った。「イラン・パキスタン間のガス・パイプラインがインドに届かないとしても、同種の他のパイプライン事業で代替させられる可能性は低いうえ、余分なコストとリスクがかかり持続性もより乏しいだろう」。

さらに次のように付け加えた。「この事業に参加しないとなると、インドの国益は確保されないだろう。論理的に考えても、インド政府が国益に反する決定をするとは思われない」

 他方でネジャード=ホセイニヤーン次官は、現在の政治的状況を推測すると、インドがパイプライン事業への参加を取りやめることもありうるとし、次のように付け加えた。「いずれにせよわれわれは、後任の石油相がマニ・シャンカル前石油相のように、学識があり有能かつ努力を惜しまない人物であることを願っている。そしてまた、インド経済の繁栄のもととなり地域の平和・安全・一体化を呼ぶ今回の大事業の実現を、支持してくれるよう願っている」。

 


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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1853 )