日本側、わいろ禁止を要求 -カマンの博物館建設プロジェクト支援契約で(Radikal紙)
2006年03月10日付 Radikal 紙

汚職と不正に関し、トルコへの評価は低い。国際的な協定においてもその悪影響が出始めている。日本は最近、トルコにおける考古学調査に300万ドルを支援する条件として、プロジェクトで労働力や物品を調達する際にわいろを要求されないことを挙げ、これを契約議定書の項目に記載させた。議定書の承認について審議した国会議員たちは、「承認できない」との理由をつけて協定案を政府に送り返す決定を下した。日本側が「わいろを要求されない」という条件を主張した理由として、汚職と不正への汚染度に関して、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)[各国の汚職・不正を追及するNGO団体]が行った汚職認知指数ランキング(※)で、トルコの番付は10点中、3.2点で146カ国中77番目だったことが挙げられている。

国会の外交委員会では昨日、『資金援助に基づくカマン・カレホユク考古学博物館の建設に関するトルコ-日本間の契約議定書承認の妥当性についての法律草案』が審議された。2005年9月30日にカマンで署名された契約によると、日本政府は、クルシェヒル県カマン郡郊外のカレホユク考古学博物館建設のために2億8800万円(およそ300万ドル)の資金援助を保証することになっている。

■契約議定書には、わいろ禁止の要望も

2009年開業予定の博物館建設のため署名された議定書には、資金援助の契約は、協定発効日から2006年3月31日まで有効と記載されているが、この有効期限は両国の合意で延長可能とされている。援助資金は、日本およびトルコの製品、両国民間の取り引きに限定して使用されると記されている。議定書では特に、「博物館建設のために必要な物品と労働」、「事業実施にあたって必要な設備、また、設備導入のために必要な労働」、「トルコの港湾への資材搬入のために必要な労働」に支出を制限することが述べられている。

議定書では、資材と労働への資金の支出は、両国の合意のもとで必要に応じて他国に対しても適用されるとされている。両国の行動基準が詳細に列挙されており、『交渉記録』という箇所では、「『相手国への通告』第3項に関連して日本側代表団は、第4項で示されている契約を実行するにあたって、わいろと受け止められるような、要求、贈答、利益や便宜が要求されることを防ぐためにトルコ共和国政府が必要な対策を取ると日本政府が認識したことを通告する。」との通告項目がある。

国会の外交委員会では、イスタンブル選出のシュクリュ・エレキダウ議員をはじめとするCHP(共和人民党)の議員がこの項目を問題視し、トルコが「わいろを受け取る側」だということを認めるようなものだと述べて反発した。

■与野党議員とも反発

CHPの議員は、この項目は、トルコの「尊厳と名誉」という観点で認められず、他国が同じような条項を要求する可能性があると指摘した。あるCHP議員は、「我が国の政府は市場化を大歓迎しているが、しかしこれほど我が国が軽く見られた項目など認められない。」と述べた。AKP(公正発展党)の議員もCHP議員の不満に同意し、協定の「再検討」のため、政府に法案を送り返す決定を下した。

■トルコ外務省は議定書支持

外務省の関係者は、「法案が送り返されれば、日本とまた協議しなければならなくなる。計画のプロセスが長引くことになってしまう。日本の政府会計は3月31日に締め切られる。協定が一刻も早く議会を通過しなければ、資金援助が消滅する可能性もある。」と警告した。委員会のメンバーは、この警告に対して、「トルコの名誉の方が重要だ。」と異議を唱えた。論議の後、議定書は政府に送り返されることが決まった。


※汚職認知指数:点数が高いほど汚職が少ないことを示す

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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:2034 )