皆既日食、観光業に好況もたらす:日本など各国から見物客(Milliyet紙)
2006年03月29日付 Milliyet 紙

皆既日食の観察のため、旅行者と研究者はアンタリヤに押し寄せた。NASAの研究者たちはシデ古代劇場から生中継を行う。

皆既日食が最も良く見える国がトルコであり、(トルコでは)日食がアンタリヤから始まることから、人々の目はこのトルコ一の観光地に向けられた。この2年間、この大きな自然現象に向けて準備していたアンタリヤには、多数の旅行者と研究者がやって来た。共和国広場、コンヤアルト海岸公園、ララの3カ所に観測センターが設けられた。アンタリヤでは、10万個の観察用メガネが輸入されて市場に出回った。

■10万人の旅行者が到来
観光業者は、5万人のトルコ人旅行者と10万人の外国人旅行者が日食のためにアンタリヤを訪れたと述べた。イギリスから昨日1時間半の間に6機の飛行機で1650人の研究者と新聞記者がアンタリヤに来た。これほど多くのイギリス人旅行者が1日にアンタリヤを訪れるのは初めてであり、これまでの記録を塗り替えた。研究者とともに外国人記者もやって来た。アッティラ・コチ文化観光相も、アンタリヤでボアズィチ大学カンディリ観測所の観測チームとともに日食を観察する予定だ。

■NASAによる生中継
NASAの研究者たちはシデ古代劇場から生中継を行う。NASAがカリフォルニア州立大学バークレー校、サンフランシスコのエクスプロラトリウム(体験型科学教育施設)と共同で立ち上げた組織によりシデで2世紀から現存しているローマ劇場に設置されたカメラで撮影された映像は、NASAのウェブサイトを通じて生放送される。
エクスプロレタリウムは、トルコで撮影した映像をウェブサイト上で衛星生放送する。ノースダコタ大学も同じ映像を同校のホームページから生放送する予定だ。
シデ市弦楽五重奏は、皆既日食中にアポロン神殿でコンサートを開き、モーツァルトとブラームスの曲を演奏する。

■観光部門に追い風
今世紀初の皆既日食は、地中海、中央アナトリア、黒海を通る日食帯上にある13県では全てを、帯の外では一部を見ることができる。(アンタリヤで)観光業で生計を立てている人の数は40%減少したが、皆既日食の見られる週にはホテルの客室の90%が埋まった。地中海観光ホテル業協会のオスマン・アユク会長は、皆既日食が売り上げが落ち込むシーズンを前に観光部門に活力を与えたと述べた。

■メモ:日本人はテント村を作った
ドイツのニュンベルクからの団体と、ノルウェーのオスロ大学天文学部・ノルウェー天文学クラブの約150人のグループは、日食をマナブガトで観察する。
天皇を『太陽の子』とみなし神聖視している日本人は、マナブガトのサウリン村にあるフェリドゥーン・カンドゥラ氏の私有地に『テント村』を作った。国立天文台の4人の教授とNHKの4人のレポーターも皆既日食を観察するためにクムルジャのアドゥラサ町に陣取った。
スカイ航空取締役副社長のヤルム・ティレフは、「私たちの飛行機は、皆既日食の間上空を飛んでおり、乗客は日食を空の上で観察できる」と述べた。
皆既日食が、3分36秒という最も長い時間観察できるコンヤでは、全準備が完了した。ベイシェヒル湖畔には特設のステージが作られた。研究者や写真家を含む600人の日本人の一団は、3日間コンヤに滞在する予定。ドイツからはチャーター便で日帰りする160人を含む約300人の旅行者が、皆既日食をバシュギョトゥレン村で見る予定だ。
アクサライでは、ニーデ大学付属保健体育教育高等職業学校の500人の学生が早朝にハサン山のふもとを登る予定だ。
ウルグュップ・オルタシェヒルのクズルチュクル地区で開かれるイベントでは、1000人の外国人旅行者を含む3000人以上の人々がきのこ岩の独特な景色を楽しみながらワイン片手に日食を観察する。
オルドゥ市の中心部と周辺の郡にあるホテルもトルコ人旅行者と外国人旅行者でいっぱいになった。オルドゥ市のセイト・トラン市長は、「オランダ人とフランス人の80人のグループと600人のトルコ人旅行者がホテルの予約をしている」と語った。

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( 翻訳者:新井 慧 )
( 記事ID:2129 )