仏の若者向け雇用制度反対の学生運動をリードするトルコ人女子学生(Hurriyet紙)
2006年03月31日付 Hurriyet 紙

フランスで、1968年5月の労働者・学生による5月革命を思い起こさせるような学生運動が起こっている。リードするフランス学生連合(UNEF)のスポークスマンの一人であるトルコ人の女子学生、レイラ・テメルは、フランス全土で巻き起こっているデモ運動は、政府が制定した新雇用法が撤廃されるまで続くだろうと述べた。パリでの昨日の駅占拠の際に最前列にいたテメルは、「私たちは、将来の保障を得たいのです。この要求をやめるつもりはありません」と語った。

フランスでは、学生など26歳未満の若者の解雇を容易にするという議論をはらんだ新雇用法(初期雇用契約)の生み出した緊張が、日を追うごとに増している。国内の多くの都市で学生たちが通りに出て道を封鎖する活動を行っている一方、昨日は首都パリの主要な駅の1つであるリヨン駅が占拠された。

学生運動を仕掛ける側の先頭に立つレイラ・テメルは社会学部の学生。DHA通信社に対し、学生たちがデモをいかに準備し、何に対して異を唱えているかを説明した。母親がトルコ人、父親がフランス人のテメルは、ストライキやデモがドビルパン首相の新雇用法制定が原因で始まったと述べ、「これは私たちにとって最悪なことです。私たちを貧困にするものです。学位を得るために私たちは懸命に勉強しています。仕事に保障があるよう願っているのです。断固としてこの法案に反対します」と述べた。

一人のトルコ人として、2つの文化を掛け持っていると話すテメルは、「トルコへ行くと、ここでの生活は楽だろうと言われます。でも、実際はそうではありません。ここは世界で5番目に大きな国です。私たちの将来は明るくなければなりません。この要求をやめるつもりはありません」と述べた。

■「デモを行う場所はあらかじめ公表されています」
先週の火曜、300万人が道路に出て抗議をしたのに、首相はこれを一顧にもしなかったと語るテメルは、学生たちがどのように動員されているかについて、次のように説明した。「デモについてはかなり前から公表されています。毎週水曜日、労働組合のメンバーと学生連合の代表者で会議を開いています。どのグループがどこでデモを行うか、ここで決められます。そして、一本の電話を待って、道にあふれでるのです。法案が撤廃されるまで、私たちはデモを続けるつもりです」。

■「暴力は認めていません」
デモ中に起こった暴力事件については次のように語った:「デモが長引いています。デモ隊は疲れてきていますが、家に帰ることを望んではいません。このことも、警察との間に緊張を生む要因となっています。郊外の若者が一番けんか騒ぎを起こしています。彼らもデモに参加し、自分たちの存在を示そうとしています。なぜなら彼らの意見に誰も耳を貸してくれないからです。携帯を盗んだり、店のショーウィンドウを割っています。こういったことは、私たちは認めていません。私たちの運動を、危険なものに見せてしまうからです」。

デモは組織的、計画的な形で行っているというテメルは、自分と同じ労働組合の人で、警察と問題を起こした人はいないと話した。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:田林 玲 )
( 記事ID:2141 )