摩天楼の下は路上駐車だらけ(Radikal紙)
2006年03月04日付 Radikal 紙

摩天楼がそびえるイスタンブルのマスラク地区は、空からはモダンな都会のように見える。しかし、その下では田舎の町よりも無秩序な路上風景が広がっている。その日その日で交通の流れは決まってしまう。

マスラク地区の幹線道路は片側4車線を持つビュユクデレ通りだが、片側の2車線は、事実上オフィス・ショッピング・センターに人を運ぶミニバスの駐車場の状態になっている。センターには、ミニバスなどの乗り場スペースがなく、センターと大通りを接続する側道などもないため、何十台ものミニバスが路上に停車している。人々は、自分の行き先に合うミニバスを探しまわっている。ミニバスは、満席になるまで出発を待たなくてはならない。空席を残したまま運行すると、ミニバスの運転手が空席分の代金を払わなければならないからだ。この風景の解消に唯一期待できるのは、レヴェント4丁目とアヤズアアを結ぶ地下鉄の開通だ。しかし、この路線の開通まで、あと2年待つ必要がある。

イスタンブルの交通問題の3分の1は駐車場不足が原因、と述べるイスタンブル都市計画協会のアフメト・トゥルグト会長は、「特にマスラクとレヴェント4丁目を結ぶ道路は無計画の結果で、道路として不充分なものです。この地区の道路は、駐車場と一体的に設計されませんでした。この種の建物の建築主は、駐車場とミニバスなどの乗り場スペースも作る必要があります。」と述べた。

■「ミニバス協会も被害者」

イスタンブル・タクシー・ミニバス協会のハリト・タユンチ副会長は、協会自体も都市の無計画の被害者だと語る。

「大規模な商業施設には、ミニバスなどが停められるスペースがありません。このため、マスラクのように、多くの場所で路上にミニバスなどを停車させざるを得ないのです。我々としても、我々に割り当てられた場所で整然とお客様をお待ちしたいと望んでいます。我々も交通の機能不全の被害をこうむっているのです。さらには、交通警察が始終罰金を取り立てています。運転手たちは、警官に頼み込んで、なんとか見逃してもらおうとします。時おり空席を残したまま出発することもありますが、その場合は乗客の代金は運転手の給与から引かれることになります。」

イスタンブルの交通輸送についての多くの研究がある都市計画家のアフメト・ケスキン教授によれば、マスラクで起きていることは予想できた問題だったという。

「我々は、数年前に行った調査研究において、いずれは交通が完全に機能不全に陥ることを予想していました。タクシーに乗っても、いまやシシュリにも行きません。問題を解決するには大量輸送を行うことです。特に地下鉄の導入です。しかしながら、市の行政責任者たちは現在までこれを軽視したままです。」

【参考】 ☆イスタンブルの地下鉄計画と地図☆
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http://www.radikal.com.tr/veriler/2006/03/05/rayli.gif



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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:2003 )