ブリュッセルのDHKP-C(革命人民解放党戦線)事務所、強制捜査へ(Milliyet紙)
2006年03月05日付 Milliyet 紙

 ベルギーで「行方不明になった」フェフリイェ・エルダルの捜査が行われる中、テロ組織であるDHKP-C(革命人民解放党戦線)のブリュッセル事務所の強制捜査が行われた。

 テロリスト、フェフリイェ・エルダルはベルギーのブルゲス裁判所にて懲役四年の刑を言い渡される前日「行方不明に」なった。彼女の捜索が進む一方でブリュッセルにあるDHKP-Cの事務所が特殊捜査部隊によって強制捜査された。捜査員は事務所にいた3人を、身元を調べるために一時拘束したがその後釈放した。事務所にあった書類やコンピュータに入っていた情報が押収された。

 また一方でエルダルが「行方不明になった」ことに関する議論も続いている。ベルギーのマスコミは、EUのテロ組織リストに載っており、ベルギーの司法局や司法内務大臣によっても「テロ組織」として認められているDHKP-Cになぜブリュッセルでの「連絡事務所」の活動を許可したのかと追及している。
 ベルギー法務大臣であり副首相でオンケリンクス氏は、木曜日に行われた記者会見でベルギー司法局がフェフリイェ・エルダルを「テロリスト」、DHKP-Cを「テロ組織」と認めていることを明らかにした。組織の「連絡事務所」を閉鎖させるかどうかについて問われると、「法的な段階を踏まないうちは事務所を閉鎖させることはできない」と話した。

 マスコミが注目したもう一つの疑問は「政治亡命者候補」として認定されており、その意味ではベルギーで「自由の身」とされているエルダル氏についてだった。オンケリンクス副首相とディウィール内相は「エルダル氏から自由を奪う法的根拠は何一つない」と述べている。マスコミは、何百人もの亡命を待つ人々がその子どもとともに、何ヶ月間も「閉じられた広場」と呼ばれる場所で拘束状態にあることを指摘し、「エルダルにはなぜ同様の法的措置が適用されないのか」と追及している。

■無言のベルギー政府
 トルコ警察は、サバンジュ・センター暗殺事件の容疑者である、違法組織DHKP-Cのメンバー、フェフリイェ・エルダルに関してベルギー政府に公式文書を送っていた。しかし、ベルギー政府からはまったく返事がなかったという。今回明らかになった情報によれば、トルコの国際刑事警察機構(インターポール)は以前エルダルについての最新情報を得るためにベルギーの国際刑事警察機構に文書を送った。しかしベルギー側はまったく反応を示さなかったという。
 エルダルに関する最終判決が出たことで、トルコ側は再びベルギー国際刑事警察機構に情報を要求したが、ベルギー側は最後まで情報を提供することはなかった。結局トルコ警察は、国際刑事警察機構が発行するレッド・ノーティスで行方を捜索されているエルダルのベルギーでの動向を、トルコ法務省および外務省からのルートによって情報を得ることができた。


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( 翻訳者:湯澤 芙美 )
( 記事ID:2010 )