フランスのリヨンでアルメニア人大虐殺の記念碑、24時間監視へ(Hurriyet紙)
2006年04月20日付 Hurriyet 紙

フランスのリヨンで4月24日に除幕される予定のいわゆるアルメニア人大虐殺記念碑は、「トルコ語とフランス語」でスローガンと罵倒の言葉が書かれたため、アルメニア系フランス人と治安部隊により24時間の監視下に置かれた。

フランスのリヨンでもっとも活気のある広場、ベルクールのすぐ脇にあるアントニオ・ポンセ広場に立てられた、いわゆるアルメニア人大虐殺記念碑は、トルコ語とフランス語のスローガンが書かれたことから厳重な警備の下に置かれた。記念碑は多くのフランスの国会議員が参加する式典で除幕される。
文字が書かれた後、アルメニア系フランス人は自ら組織した私的ガードマンによる24時間体制の監視を始めた。リヨン市役所も警備のため4人の警察官を動員し、2人を記念碑広場の中に、2人を外に配置した。ガードマンと保安隊員が守る記念碑広場と外側に監視カメラが設置され始めた。

■24時間監視
700平方メートルの広場で密かに建設が進められ、完成したアルメニア人大虐殺記念碑が、いわゆる大虐殺記念日である4月24日に除幕されることが伝えられた。
警察の警備の下、周囲の清掃と最後の仕上げが行われた記念碑の建設責任者は、記念碑の建設作業は全て終了したと説明した。
記念碑の建設は、裁判所の決定で4月1日に一旦止められていた。しかし、4月6日に特別な許可が出され、記念碑の建設が続けられていたことが分かった。4月11日に再度中止された記念碑の建設は、いくつかの保証が与えられた上で、昼夜を問わず進められた。
リヨン市のジャン・ルイ・トゥロワン副市長は、記念碑の内側から2台、外側から1台のカメラで常時監視すると述べた。これまで以上に大きな危害を加えられないよう、必要な対策が講じられたことが明らかにされた。

■トルコ語のスローガン
「我はトルコ人と言う者はなんと幸せか(Ne mutlu Turkum diyene)」というトルコのスローガンと並んでフランス語の罵倒の言葉も書かれた記念碑への攻撃に関して記者会見を行ったアルメニア人大虐殺記念碑建立委員会のジュール・マルディラシアン会長と委員のケペネキアン氏、そしてジャン・ルイ・トゥロワン副市長は、トルコに対し厳しい批判を浴びせた。

■すでに保護下
フランスのリヨンで除幕を控えた、いわゆるアルメニア人大虐殺記念碑に何者かが書いたトルコ語とフランス語のスローガンは次のようなものであった:「我はトルコ人と言う者はなんと幸せか(トルコ語)」、「虐殺は決してなかった(フランス語)」。さらに、トルコ語とフランス語で激しいののしりの言葉も書かれていた。この事態を受け、記念碑を保護下に置いた。

■市民も望まない建設
リヨン市は、2004年に下した決定で、街の中心部にある700平方メートルの広場の中にアルメニア人大虐殺を追悼するために記念碑を立てることを承認した。記念碑の建設費用の総額約13万ユーロのうち、4万5千ユーロを市の予算でまかなうことを決定した。

記念碑が立てられる地区のいくつかの市民社会組織は、ユネスコの世界遺産の指定を受け保護されている地域の一体性を乱し、記念碑が美的観点から地区の建造物にふさわしくないという理由で、リヨン行政裁判所に建設の差し止めを求めて訴訟を起こしていた。記念碑は、36本のコンクリート製の柱で出来ている。底面は最新技術でライトアップされる。記念碑のある場所は、地下鉄の出入り口があるため、毎日数万人が近くを通る。リヨンとその周辺には、15万人のアルメニア系住民が住んでいる。

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( 翻訳者:佐藤淳也 )
( 記事ID:2240 )