宇宙でキブラ(聖地メッカの方向)はどちら?(Radikal紙)
2006年04月20日付 Radikal 紙

初のムスリム宇宙飛行士を送り出すマレーシアは、宇宙で礼拝を行う際清めの水をどうするか、礼拝やキブラをどうするかといった問題を解決するため会議を開く。トルコ宗務庁によると、問題は無いという。

 初のムスリム宇宙飛行士をロシアのスペースシャトルに搭乗させるマレーシアでは、宇宙で礼拝を行う際清めの水をどうするか、礼拝をどうするかの議論が交わされている。マレーシア国内でこの件があまりにも問題視されたためか、マレーシアの国家宇宙局は宇宙での礼拝がどうあるべきか議論するため、2日間にわたり会議を開催することを決定した。
 マレーシアで来週火曜日に始まる“宇宙空間におけるイスラムと生活”という名の会議には150人近い宗教学者や科学者、宇宙飛行士が出席し次のような問題について議論する。

・礼拝前に水で体を清めることが出来ない状態で、手を地面につけた後、腕と顔をなでて行なう洗い清めは宇宙でどう行われるのか。
・礼拝を行う際カーバ神殿の方向を向くが、キブラが分からない状態でどう解決するのか。
・1日5回の礼拝時間をどう決めるのか。
・宇宙飛行士は、地球の回りを24時間で16周廻る国際宇宙ステーションで、いつ礼拝をすればよいのか。

■宗務庁の見解

 宇宙には生命が無く、礼拝もこの地球上での義務だということを明らかにしたトルコの宗務庁関係者によると、問題は無いという。関係者は「キブラは重要ではない。コーランも“どの方向を向こうとアッラーはそこにいる”と言っている。礼拝をする際(宇宙飛行士の)格好で立ったりしゃがんだりをどう行うかは分からない。実際に出来るようならやればいい」と話した。
 宗教学者であるゼケリヤ・ベヤズ教授によると宇宙でも礼拝を行うことは可能だとし、次のように話した。「コーランの一節では“どの方向を向いてもアッラーはそこにいる”と言っている。我々はカーバ神殿を拝んでいるわけではない。キブラは(我々イスラム教徒の)連帯感を確かめるためのものだ。この件の状況では、キブラを強制する必要はない。水を使えない場所で行われる清めは象徴的なものだ。それは清潔さが問題なのではない。土を顔になでつけるのは挨拶するという意味だ。服につけてもいいし壁につけたって構わない。礼拝の時間については、スペースシャトルの位置から一番近い国の時間に合わせればいい。世界の標準時に合わせればいいのだ。」
 
 宇宙行きの候補者4人のマレーシア人のうち、3人がムスリムだ。選抜の結果2人が訓練を終え宇宙に行く権利を勝ち取ることが出来る。マレーシアはロシアからスホーイ戦闘機30―MKM型を18機購入する予定で、10億ドルに上る契約の一端として宇宙行きが計画されている。



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( 翻訳者:住永 千裕 )
( 記事ID:2242 )