マドンナ、ディヤルバクル・コンサート!? ―外交筋を混乱させた偽情報(Hurriyet紙)
2006年04月23日付 Hurriyet 紙

アメリカ国務省の定例記者会見で「(ライス長官と)同じ日にマドンナがクルド人の町アメド(ディヤルバクル)を訪問するそうですが、治安は大丈夫なのでしょうか?」と新聞記者が質問したことが、アメリカ・トルコ両国の政府に一時的な混乱をもたらした。

アメリカ国務省スポークスマンのショーン・マコーマックの定例記者会見で発言した新聞記者が、「コンドリーザ・ライス長官のトルコ訪問と同じ日に、世界的に有名なアメリカ人歌手のマドンナがトルコ南東部のアメド(ディヤルバクル)を訪れ、クルド人を楽しませるためにスタジアムで無料のコンサートを開くそうですね。4月17日付でトルコ南東部に発した渡航注意勧告を考えますと、マドンナの身の安全に不安はないのですか?」と質問した。

一瞬、混乱状態に陥ったマコーマック報道官だったが、質問に対しては「あなたに申し上げられるのは、私たちはコンサートに行くわけではないことだ。人にはそれぞれ違った価値判断があり、私たちはこの渡航注意勧告を考慮しうる人々に向けて発したのだ」と返答した。

■トルコ側は否定
アメリカ人記者のこうした質問にもかかわらず、ディヤルバクルとアンカラの当局はこのような話はあり得ないとし、スタジアムの使用のための許可を取っている人はいないと述べた。ディヤルバクル広域市のジェザヒル・サダク文化局長も質問に関して「そのような事実はない」と語った。

一方のアメリカ当局は「冗談のような質問」だと片付け、この件に関する情報は一つもなく、またそのようなコンサートがあるはずはないと述べた。またマドンナのコンサート予定にこのようなコンサートは入っていないことも判明した。

■噂はどこから広まったか

噂はエイプリルフールの冗談を本気にしたものだった。

マドンナがディヤルバクルにあるスタジアムで4月24日にコンサートを開くという噂は、オランダのあるインターネット掲示板の「エイプリルフールの冗談」が出所のようだ。掲示板では「イラクのジャラール・タラバーニー大統領が亡くなった」という発言のあとで「マドンナが4月24日にディヤルバクルに行く」と書き込まれた。その後「これらはちょっとした冗談だ」と訂正されたが、一部のクルド人向けインターネットサイトはこの発言を本当の出来事のように伝えた。

(それらのサイトには、)ディヤルバクル広域市長のオスマン・バイデミルがアメリカを訪問した際に有名な歌手と会談し、クルド人やディヤルバクルについて話し合ったと記されていた。さらに、無料コンサートを開くことをマドンナは了解しており、その費用は自治体が負担することになるだろうと書かれていた。

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( 翻訳者:松岡聡美 )
( 記事ID:2269 )