スィノプで原発建設反対を訴える集会に1.5万人(Hurriyet紙)
2006年04月30日付 Hurriyet 紙

トルコで初めて原子力発電所が建設される予定の街スィノプ(人口約3万人)で、抗議デモが行われた。53の市民団体と職業団体で組織する「スィノプ原発反対プラットフォーム」が主催した集会には、国内各県からの参加者も含め1.5万人が参加した。

集会に参加した人の中には、早朝バスに乗ってやってきた人や、社会の幅広い集団を代表する様々な団体の代表者もおり、彼らはプラカードや横断幕の掲示されたウウル・ムンジュ広場に向かってスローガンを掲げながら行進した。地元の音楽グループによる民謡の演奏でお祭りのような雰囲気となった集会で、開会宣言をしたスィノプ原発反対プラットフォームの実行委員会メンバーでスィノプ環境愛護協会会長のハレ・オウズ氏は政府当局に向かって次のように呼び掛け、喝采を浴びた。「あなた方がここでの生活を築いた訳ではない。いかなる原子力も我々の生存権を奪えないはずだ。我々はチェルノブイリを経験した。これ以上のチェルノブイリを望まない」。

■「モオルラル」のメンバーも参加
演説の後、午後1時になるとスィノプの漁師たちは30隻の船で海に出た。船からは原発反対のサイレンが鳴らされ、「放射能を浴びた魚はいらない」と書かれた旗が注目を集めた。

集会では地元の演劇グループが『原子力との結婚』という劇を上演した。最後にミュージックバンド「モオルラル」のジャヒト・ベルカイ、エンギン・ヨルコール、タネル・オンギュル、セルハト・エルソズが『何かしなければならない』『死者は金を身につけるのか?』という歌を参加者と一緒に歌った集会は、衝突もなく無事に終わった。

■トプチュに抗議
元運輸大臣のヤシャル・トプチュは、集会に参加したある団体から抗議を受けた。トプチュの演説の最中、抗議をした団体は何度もサイレンを鳴らした。トプチュはこれに気分を害し、「わかったから、少し話を聞いてくれ」といい、「スィノプには原発ではなく大学が必要だ」と話して壇上から降りた。

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( 翻訳者:松岡 聡美 )
( 記事ID:2320 )