イランのミサイル力、増強 シャルグ紙
2006年04月04日付 Sharq 紙

2006年4月4日付シャルグ紙1面

【政治部】最新のイラン産国防兵器の発射実験が昨日、《偉大なる預言者》と銘打たれた大演習で行われた。この近代兵器の実験は、革命防衛隊海軍の魚雷艇より事前に用意された実際の標的に向けて発射されるかたちで行われた。この兵器は、イランが同演習において使用し公表した最新の国防兵器としては、三番目のものに当たる。

 魚雷艇から発射されたこの魚雷は、ペルシア湾地域、特にホルモズ海峡の海中及び海上の仮想敵軍部隊に対峙することを想定したものだ。《偉大なる預言者》演習のスポークスマンを務めるエブラーヒーム・デフガーニー氏によると、この魚雷は、海中深くに潜水している潜水艦も、また海上に浮上している軍艦も標的にすることができるという。

 すでに軍事演習初日には、シャハーブ2ミサイルの発射も行っている。シャハーブ2は、レーダーを回避する能力を持っており、多くの関心を集めた。革命防衛隊空軍のホセイン・サラーミー司令官は、この件について次のように発表している。「このミサイルは、同時に複数の標的を狙うことができ、またあらゆる敵の対空ミサイル網よりも高い高度で、正確に飛行することができる。この技術は対ミサイル防衛システムを回避し、レーダーを回避すること基本として、設計されたものである。このミサイルの弾頭は、可変的なあらゆる射程距離の、あらゆるミサイルにも装着可能であり、制約がない。また射程距離が可変的であるため、ミサイルが弾頭から切り離された後、複数の小さなミサイルとなり、一つのミサイルで複数の動的な対象を標的とすることができる。このミサイルは敵のレーダー網を回避し、敵の対ミサイル・システムを混乱させることが可能だ」。

 シャハーブ2ミサイルの実験から3日後、イランは自己最速の水中ミサイルの実験を、ペルシア湾で行った。《フート(大魚)》と名付けられた水中ミサイルは、アリー・ファダヴィー革命防衛隊海軍少将の発表によると、秒速1メートル〔秒速100メートルの誤りであると思われる〕の速度で進み、それを避けることは、いかなる艦船でも不可能であるという。同少将は、「現在のところ、この種のミサイルを保有するのは世界で2カ国しかない。フート・ミサイルの発射艇はレーダーを回避できるため、その位置を特定されることもない」と話す。

 これら三つの兵器は、多くの注目を集めているが、発表によると、イランはこの演習において自らの能力のすべてを出し切ったわけではなく、他の国防兵器・技術も用意する予定であるとのことだ。仮想敵の位置に関する情報を収集するための無人偵察機、可動性の対空ミサイル、射程距離の長い空対空ミサイル発射能力を有する軍事ヘリコプターなどが、イランの最新技術として今回の演習で披露されるという。モルタザー・サッファーリー革命防衛隊海軍司令官は、このことについて、地対地ミサイル発射能力をもつ、機動力に優れた軍艦、魚雷やロケット、国産スマート地雷、そして高重量の国産魚雷などが、今回の演習で初めて用いられると述べている。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2154 )