財政危機克服をかけたパレスチナ政府の会談は失敗 シャルグ紙
2006年05月08日付 Sharq 紙

ハマース政権が直面している財政危機への対処にかんする、パレスチナ大統領と首相による会談は結論が出ないまま幕を閉じた。今回の会談はマフムード・アッバース大統領とイスマーイール・ハニヤ首相のハマース政権発足後初の会談であった。

4時間にわたる会談終了後、ナビル・アブルデイネパレスチナ大統領顧問は次のように述べた。「ハマース政権は、欧米からの財政支援の停止をやめてもよいという自らの対イスラエル政策の変更をよしとしなかった。ハマース政権が自らの立場を変えないかぎり、国際社会は我々に賛同しないだろうし、パレスチナ国民がその代償を負わされることになる」

 ハマース政権は、イスラエルを正式に承認するのは、イスラエルが1967年の占領地から立ち去り、追放されたパレスチナ人全員が故郷に戻り、パレスチナ囚人が解放された場合のみであると宣言している。パレスチナ大統領顧問は、ガザ地区で行われたこの会談後、次のように述べている。「アッバース大統領はこの財政危機を終わらせるためのメカニズムを探し求めているが、残念ながら、解決法はまだ見つかっていない」

 一方で、パレスチナへの緊急援助の提供を引き受けていたロシア政府は、アッバース大統領の事務所を通し、衛生面、教育面における経費として1千万ドルを寄付することを発表した。ハニヤパレスチナ首相はこの資金がパレスチナ財務省により監査を受けている間は、大統領事務所を介した資金の譲渡に反対ではない旨を述べた。

 ドイツの記者がハニヤ首相の言葉として伝えたところでは、現状の問題解決にむけた会談を継続させるべく、閣僚たちの共同会議を開くことでアッバース大統領との合意に至っている、ということだ。ハマースが選挙で勝利し、政権を獲得した後、パレスチナへの諸外国からの援助は打ち切られ、イスラエルもまた、共同関税収入の割り前をパレスチナ政府に支払うことを拒否している。

 そんな中、イギリスでは、パレスチナ人への未払い賃金の支払いを志す支援金寄付者のための予算援助基金の設立が、ハマースを強固にするのではなく、むしろ弱体化させるだろうことを示すレポートが報じられた。ロイター通信によれば、4ページにわたるこのレポートには、「この基金は、ハマースに暴力を否定するよう納得させ、イスラエルを正式に承認させ、暫定平和協定を認めさせるための外交努力を削ぐものではない」とある。

 イギリスは、パレスチナが緊急援助をハマース以外のルートを通じて受領すれば、ハマースはその信用の大部分を失うだろう。このことで国際社会の要請を受け入れる契機が作られるだろう、との見解を示している。


Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:岩間 縁 )
( 記事ID:2398 )