政府報道官「イラン大統領からブッシュ大統領への書簡には、国際的に困難な状況から脱するための新たな方策が示されている」 シャルグ紙
2006年05月09日付 Sharq 紙

2006年5月9日付シャルグ紙1面

【政治部ファルヌーシュ・アミールシャーヒー】イラン・イスラーム共和国第8代大統領マフムード・アフマディーネジャード氏は、アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュに宛てた個人書簡の中で、現在の国際的に困難な状況からの脱出と、世界のより良い関係構築のための新たな方策を提示した。

 イラン暦1359年ファルヴァルディーン月20日(1980年4月9日)のイランとアメリカとの国交断絶以来、イラン高官が公式に合衆国大統領に書簡を送ったのは、今回が初めてである。大統領の書簡は昨日正午、外務大臣マヌーチェフル・モッタキー氏を介して、イランにおけるアメリカの利益代表部であるスイス大使館に提出されたが、書簡の内容は、いずれの政府関係者からも明らかにされていない。

 唯一、アリー・ラーリージャーニー氏がトルコ共和国において、アフマディーネジャード大統領がブッシュ大統領に宛てた書簡は、極めて重要なものであり、この書簡を高く評価することが、中東地域における諸問題の外交的解決の糸口を得ることにつながるだろうと発言した。

 同様に、政府報道官のゴラームホセイン・エルハーム氏も、記者会見において、同書簡が送られたことを、イラン大統領に関連する二つ目の朗報であると述べ、書簡には、世界情勢の分析や、諸問題の原因究明、そして、現在の困難な状況から脱するための新たな方策の提案といった内容が含まれていると述べた。

 記者団は、書簡の詳細と、書簡のなかでイランとアメリカとの直接会談や核問題への言及がなされているかについて説明を求めたが、エルハーム報道官はこれに対し、きっぱりと「既に説明した通りだ。同書簡は公開書簡ではない」と述べた。しかし、エルハーム氏は、海外メディアを通して、書簡の内容が公開される可能性については否定しなかった。

 これより前、アフマディーネジャード大統領は、最近の記者会見において、この偉大なる預言者(神が彼と彼の一族に祝福と平安を与えんことを)の年[*訳者注]に際し、各国指導者に宛てて書簡を記すという自身の決意について語っていたが、書簡の最初の受け手としてアメリカ合衆国大統領を選んだことは、注目すべきことである。

過去26年の間、両国間には正式の国交が全く無く、これまでも様々な状況を経てきたが、それに加えて、イランの核問題に関する両国それぞれの姿勢が、更に互いの対立を深めている。イラン側が核の平和利用のための開発技術を獲得することが当然の権利であると見なす一方で、アメリカ側はイランが核武装を行おうとしていると非難している。

[*訳者注]イランでは、ユネスコのように毎年、その年に名前を付ける。今年は「預言者の年」。



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( 翻訳者:中西悠喜 )
( 記事ID:2404 )