開発途上8カ国(D8)サミット、関税引き下げなど具体的進展目指す(Milliyet紙)
2006年05月13日付 Milliyet 紙

 エルバカン福祉党元党首の先導のもと創設された開発途上国(D-8)会議が、初めて具体的な一歩を踏み出す。バリ(インドネシア)で行われる予定の商業協定にエルドアン首相が署名する予定である。

 解体されたRP(福祉党)の元党首で政治活動が禁止されているネジメッティン・エルバカン氏(訳者註)の先導のもと創設された、開発途上8国(D-8)会議の構成国、バングラデシュ、インドネシア、イラン、マレーシア、エジプト、ナイジェリア、パキスタン、トルコの間での優先的な商業協定に署名する巡り会わせとなったのは、エルバカン氏から離れ政権の座についたレジェプ・タイイプ・エルドアン首相だった。インドネシアの観光地バリ島で今日行われるサミットにおいて、エルドアン首相がトルコを代表する。

■関税の引き下げ
 エルバカン氏の熱心な働きかけのあと、先進主要国首脳会議(G-8)の代わりとしてD-8の構想が生まれ、8ヶ国の指導者たちは1997年6月15日、イスタンブルで初の会合を行った。ただ、その後9年間ひとつもプロジェクトを実行に移せなかったD-8諸国は、今日はじめてバリで具体的な一歩を踏み出す予定である。D-8諸国の間で署名される予定の、関税以外の障害の阻止と関税の引き下げを盛り込んだ協定により相互の商取引拡大が目標とされている。
 総人口が8億2500万に達する8カ国の、世界での総貿易額が8000億ドルであることに注目するトルコの情報筋は、この協定によってトルコから他の7加盟国へ行われている20億ドルの輸出の増加も見込まれていると明らかにした。トルコ以外の7加盟国からの60億ドルの輸入においても、特に農産物の輸入増加が見込まれている。協定に伴い「商業大臣会議」が創設される予定である。

■夢の計画は棚上げに
 エルバカン氏が出席した最初の会合以来議題となっていた「共同マーケティング社」計画は、民間企業がどこも関心を全く示さなかったため廃止された。また、エルバカン氏の「イスラーム自動車・イスラーム飛行機」といった構想に光をあてた共同の「農薬散布飛行機計画」は、第一号機の試作がTAI(トルコ航空宇宙工業会社)で製造されたにもかかわらず、他国の金融支援と購入保障が得られないという理由で支援が得られるまで延期となった。

■アフマディネジャード大統領もサミットに
 核開発に関する論争のために全世界の注目を浴びるアフマディネジャード・イラン大統領もバリ島へやってきた。本日報道される声明書では、相互協力を行う分野として「平和目的での核エネルギーの使用」も盛り込まれることが明らかにされた。アフマディネジャード大統領のこの決定は、アメリカ合衆国とEU諸国がイランに対し実行した孤立政策に対する切り札として使われることが予想される。イランは先週のバクー(アゼルバイジャン首都)での経済協力サミットでも似たような決定を入れさせることを望んだとされるが、トルコとパキスタンが難色を示したため失敗に終わった。

訳者註) ネジメッティン・エルバカン氏は1996年6月28日~1997年6月30日の間トルコ共和国の首相を務めた。D-8はエルバカン氏在任中の1997年6月15日に創設の公的声明文を出した。



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( 翻訳者:古瀬由加里 )
( 記事ID:2417 )