またスカーフ問題 -パスポートの顔写真をめぐって(Radikal紙)
2006年05月26日付 Radikal 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、パスポートの写真はスカーフをとった状態のものでなければならない」との通達に怒りを示し、「通達を無効にする。」と約束した。

エルドアン首相はドイツで25日、在独トルコ人と会って質問に答えた。スカーフをしたヌラン・ゼイレッキさんという女性は、首相に次のように話した。「私は十年間、ドイツに住んでいます。二重国籍の権利を取得し、今のようなスカーフをした格好で写真屋に行ってドイツで身分証を取得しました。ところが、トルコ領事館に行くと『あなたのおばあさんがしていたようにスカーフを結びなさい。そのあたりから少し髪の毛もみえるように。』と担当者に言われたのです。
これを聞いたエルドアン首相は、会場の聴衆にむかって「大使館ではこんなことがおこなわれているのか?」と問いかけた。
会場からは拍手とともに「そうです。あります。あります。」との声があがった。そのときメフメト・アリ・イルテムチェリキ在ベルリン・トルコ大使が割って入った。同大使は、「総理、私たちは当然のことながら、本省からの指示に従って仕事をしているのです。」と言った。首相が「それはどんな指示なのか。文書なのか?」と尋ねると、大使は「文書です。」と答えた。会場からは大使の答えに対して反論が起こった。


■そんな通達があるとは

エルドアン首相は会場の反論をうけて、次のように続けた。「私はこのような通達は絶対にないと考えている。可能性すらないと思う。大使にこの通達を見せてもらうことにする。このような通達があってはならない。ドイツで生活するトルコ国民のみなさんはなにも悩むことなく大使館に入ってください。もちろんそこでは必要なチェックをうけることでしょう。国民に対して、こういった服装し、このような服装はしないでくださいといって基準をあれこれ明確に・・・」ここで再び発言したイルテムチェリキ大使は次のように続けた。「総理、おそらく何か誤解があるように思います。大使館や領事館への出入りに関する問題ではありません。パスポートに使われる写真に関してのみ通達があるのです。苦情もそれに関するものだと考えます。また、もう一つ加えなければなりません。ここにいらっしゃるトルコ国民の皆様方は、海外のどの大使館・領事館にも政府の指示に従って業務をして欲しいと思っていることでしょう。我々もそのように業務をしています。総理にはご所望どおり通達をお見せしたいと思います。」


■取り消しの通達を送ればよい

エルドアン首相はこれに対し、「その通達を見て、検討する。それにより解決策を在外へ命じましょう。このようなことは起こってはならないことだ。だからこそ、このような通達があるとすれば、そしてその通達が作成され送られたのであれば、それと同じようにこれを取り消す通達が送られるまでのことだ。」と話した。


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( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:2533 )