ノーベル賞受賞作家 ギュンター・グラス :ブッシュとブレアは偽善者である ハムシャフリー紙
2006年05月25日付 Hamshahri 紙

2006年5月25日付 ハムシャフリー紙23面

【ベルリン:中央統一通信】
 ノーベル文学賞を受賞したドイツの作家ギュンター・グラスはベルリンで開催された国際ペンクラブ第72回会議で、アメリカの外交政策を激しく非難した。オシュトロン誌インターネット版の引用に基づくベルリンの中央統通信の報道によると、ギュンター・グラスは激しい口調でアメリカ政府を非難し、同政府がテロリズムを強化していると告発した。

 78歳で画家、ドイツの政治活動家でもある同氏は、この国際ペンクラブ会議で次のように語った。「彼らが世界の文明的な諸法を無視してまでも望んだ戦争は、テロリズムを増加させるうえ、終わることもない。」同報道によれば、この会議に参加した約450の使節団は同氏の見解を支持して立ち上がって喝采し、同氏を称賛した。

 この会議にはドイツ大統領のホースト・ケーラーも参加し、イラクとの3年にわたる戦争は不法であったと強調した。ドイツ大統領はアメリカがイラン、北朝鮮、シリアを悪の枢軸と呼ぶことについても、決して政治的な措置とはみなすことのできない愚かで危険な措置だと表明した。

 このノーベル文学賞作家はイギリスの核兵器輸出の政策についても激しく非難し、イギリス首相トニー・ブレアとアメリカ大統領ジョージ・ブッシュの協力について触れて彼らを偽善者と呼び、「彼らが嘘をついていることは額に書かれている」と語った。


[解説]
 ギュンター・グラス(Günter Grass):ドイツの小説家、劇作家。1927年、ダンツィヒ(現在のポーランド、グダニスク)でドイツ人の父とスラブ系少数民族カシューブ人の母のあいだに生まれる。非現実とリアリティが巧みに交差した作風で知られ、主な作品に三部作として知られる『ブリキの太鼓』『猫と鼠』『犬の年』などがある。1999年にノーベル文学賞を受賞。またドイツ社会民主党の支援など、積極的な政治活動でも知られ、2002年のアフガニスタン侵攻の際にもアメリカを激しく批判した。



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( 翻訳者:下山伴子 )
( 記事ID:2568 )