今後10年のイラン経済の跳躍台としての石油化学工業 ハムシャフリー紙
2006年05月27日付 Hamshahri 紙

2006年5月27日付ハムシャフリー紙4面

[経済部]
 ビジネス・モニター・インターナショナル社(BMI)はイランの石油化学工業についての報告の中で「イランの石油化学部門は今後10年におけるイランの石油及び他の諸産業の成長において最大の可能性を持つ」と発表した。

 ハムシャフリー紙の報道によれば、ビジネス・モニター・インターナショナル社は「イランは国内における
燃料の需要の増加に伴い(イランにおけるガソリン消費は1年間で9パーセント上昇している)石油精製増産の計画があり、おそらくイランにおけるガソリン生産の容量は1日に 2200万バレル増加するだろう。イランにおける石油精製増産の計画は、ひとつには各精製所における原油精製量の増加に伴う。アラク精製所の石油精製も2009年までに1日に250万バレル増産することが見込まれる。さらにアバダン精製所でも現在50万バレルの増産予定があり、2006年の終わりまでに実現することが見込まれる」と報告した。

 ビジネス・モニター・インターナショナル社の予測によれば、バンダルアッバース精製所の生産量も2010年までに一日に250万バレルに到達し、その後もさらに増加するだろうとのことである。

 同社は続けて次のように報告した。「イラン石油化学工業の広範な発展計画に注目するならば、この国は2010年までに中東の石油化学生産の3分の1を占めると期待される。イランの石油化学工業は40年の前例があるが、その成長は1990年代に遡り、この時期、この国における大規模なプロジェクトはイランにおける石油化学部門の顕著な発展をもたらした。それにもかかわらず、イランの石油化学部門は世界水準においてごくわずかな枠しか持たない。」

 「世界水準における石油化学工業の5700億ドルの生産のうち、イランの枠は100分の1以下である。2004年におけるイランの石油化学工業生産の総計は20億ドルに達し、世界の石油化学工業生産全体の0.52%を占める。イランの石油化学生産は2015年までに7600万トン、260億ドルに達すると予測される。」

 ビジネス・モニター・インターナショナル社はイランをOPECの第2の生産国とみなしており、イランが世界の石油埋蔵量における1割以上を有するとの指摘とともに、次のように述べる。「現在、イランは世界の石油化学原料の生産国及び輸出国のうち第60位を占めるが、2010年までに世界の石油化学生産の4パーセント、中東市場の33パーセントを占め、2006年終わりには世界の石油化学生産国の35位以内に入ることが予測される。イランの石油化学部門は迅速な発展に直面しており、現在進行中のプロジェクトによって、2010年までに、エチレン生産では690パーセント、ポリエチレン生産では1840パーセント、プロピレン生産では450パーセントの成長が見込まれる。経済の特定部門における輸出入への助成、周辺諸国との良好な関係、地理学上の良好な位置はそれぞれ、イランの石油化学工業の利点のひとつに数えられる。」

 「国内の大市場、国内の資本家などの諸要素、海外の投資家への各種保護法も、イランの石油化学工業を発展させてきたのだが、イランはカタールやサウジアラビアなどの周辺諸国のライバルに比べると非常に遅れて、石油化学工業の発展について検討し始めた。だがペルシア湾岸の広大な地域における発展と、油田から採掘されるガスの利用は、イランの石油化学工業に必要な原料の顕著な増加を引き起こし、石油化学工業自体の発展も伴うと見込まれる。今後10年における石油化学部門への250億ドルの投資はイランの石油化学工業生産量を現在の3倍の7000万トンにまで増加させるだろう。見方を変えれば、イランの石油化学部門における外国の企業や投資家の事業参加の開かれた雰囲気は、この国の発展の良好な見通しも伴っている。反対に、イランにおける石油化学製品の価格が世界水準に比べて50~70パーセントも下回っていることは、この工業部門の発展の障害のひとつである。」



Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:下山伴子 )
( 記事ID:2571 )