「ドイツ国歌をトルコ語で」 ドイツで紙面をにぎわす(Hurriyet紙)
2006年05月04日付 Hurriyet 紙

緑の党の党員であるシュトロブレの「ドイツ国歌をトルコ語で」という提案が、ドイツ紙上で話題となっている。Bild紙は見出しの一行である「統一、正義そして自由」を「Einigkeit und Recht und Hürriyet」の形で、半分をドイツ語もう半分はトルコ語で掲載した。中道左派党は「シュトロブレ氏は協調を誤解している」とし、申し出に反応した。

緑の党、連邦国家グループの議長であるハンスクリスチャン・シュトロブレ議員の「ドイツ国歌をトルコ語に」という発言は大衆の間で大きな反響を呼んでいる。ドイツメディアはシュトロブレの発言を掲載する際、ドイツ国歌の幾つかの歌詞をトルコ語で飾った。ドイツで高い発行部数を誇るBild紙は「Einigkeit und Recht und Hürriyet」といった見出しを使用した。ベルリンの地方紙の一つであるB-Z紙はシュトロブレの提案を見出しに据えた。同紙はドイツ国歌の歌詞を曲調とともにドイツ語とトルコ語で掲載した。

バブエラで幅をきかしているOberbayerisches Volksblatt紙も提案を「団結、正義そして自由―母国ドイツのために」という見出しでトルコ語表記をし「ドイツ国歌はトルコ語になるのか」と疑問を投げかけた。各党の反応は以下の通りである。

自由民主党(FDP):協調に有効的
自由民主党の移民と協調担当であるシビル・ルーリスシェ議員は、シュトロブレ氏の提案は興味深い考えであるとし、国家が移民の言語で歌われることが外国人のドイツ文化の理解に一役買うだろうと述べた。

キリスト教民主同盟(CDU):罪深く、流行おくれ
CDUの連邦国家グループ副党長であるウォルフガング・ボスバシュ氏は「国歌をトルコ語にすることは統合への間違ったシグナルである。」と述べ、CDUのベルリン組織の秘書長官フランク・ヘンケルは「罪深い提案だ。このような試みはドイツに嫌悪感を引き出す。」と会見で述べた。

ベルリンで7月17日に行われる選挙でCDU地方長官立候補者のフライベルド・プフルゲルはといえば「この種の考えは流行おくれだ。この考えはパラレル社会の構成につながる。ドイツに来るトルコ人はドイツ国歌をドイツ語で歌うべきだ」と述べた。

キリスト教民主同盟の書記長官であるマークス・ソデルはシュトロブレの提案を酷評し「シュトロブレの提案は、本当の協調への知らせでないことを示している」と述べた。

ドイツ国歌がトルコ語になったら

ハノーブルで高い発行部数を誇る地方紙のNeue Presse紙は、ドイツ国歌の3番を翻訳家のムスタ・アクバイに翻訳させた。同紙は表紙の見出し「ドイツ国歌トルコ語版」に続く記事の真ん中、ドイツ国旗の上に「ドイツ語版とトルコ語版」と、6行を使い国歌のトルコ語版を紹介した。トルコ語国歌は以下の通り。

Birlik, adalet ve özgürlük (統一、正義そして自由)

Her şey Alman Anavatanı için! (全ては母国ドイツために!)

Gelin edelim bunlar için hep birlikte gayret, (その為に我々は皆努力しよう)

Elimiz ve yüreğimizle, kardeşçe! (心と手を携えて、兄弟のように)

Birlik, adalet ve özgürlük (統一、正義そして自由)

Bunlardır mutluluğun garantisi! (これらこそ幸福の証である!)

Bu mutluluğun ihtişamıyla parla, (この幸福の壮大さをもって栄えよ)

Parla ey Alman Anavatanı! (栄えよ、おぉ、母国ドイツよ!)


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( 翻訳者:松本 沙知 )
( 記事ID:2355 )