バッドヘジャービーと闘うために社会を警察化してはならない:サーネイー師 シャルグ紙
2006年05月04日付 Sharq 紙

2006年5月4日付シャルグ紙2面

【イラン学生通信】アーヤトッラー・サーネイーは「イスラームは文化を作る宗教であって、鞭や銃剣の宗教ではない。若者を神や精神的価値へと惹き付けるための最も良い方法は、真のイスラームを彼らに示すことである」と語った。

 同師はメキシコのテレビ局とのインタビューの中でさらに、「真のイスラームとは、大学や国から頭脳流出が起こるのを防ぎ、あるいは学生が投獄されるような事態を防ぐようなイスラームである。イスラームは束縛の宗教ではなく、自由と喜びの宗教である。だからこそ、我が宗教の偉大なる先達たちは、喜びの精神とともに行われる宗教義務・礼拝は、悲嘆の感情とともに行われる礼拝よりも、来世での報酬が多いと仰せられるのである」と付け加えた。

 サーネイー師はまたインタビューの中で、社会においてマフディー信仰〔お隠れ状態の第12代イマームが終末に救世主(マフディー)として再臨するとのシーア派の信仰〕をめぐる議論が取り沙汰されている原因について質問を受け、次のように回答した。「マフディー信仰の重要性は今日にかぎられたものではない。シーア派社会では、マフディー信仰と〈時のイマーム〉〔第12代イマームのこと〕のお隠れに関する議論は、すでに12世紀以上前から、重要なテーマとして議論されている」。さらに「マフディー信仰を悪用することは、誰であれ、許されないことである」と述べた上で、次のように述べた。「民主主義と人権を擁護・促進し、科学と学問の道に、そして世界平和の確立のために尽力する者こそ、今日マフディー信仰を支持し、救世主の再臨を待望する信徒にふさわしい」。

 サーネイー師はマフディー信仰にまつわるあらゆる迷信を排除し、次のように述べた。「マフディー信仰は占いの類いでもなければ、幻想や迷信の類いでもない。マフディー信仰とは、信条の自由〔を守り〕、人類と科学・学問に貢献をなすことを旨とするものである。約束のマフディーが再臨する時、民主主義と平和が全世界を支配する。それゆえ地上に圧制を敷き、信条と表現の自由を妨げるあらゆる者は、マフディーの再臨に異を唱えるのである」。

 同師はインタビューの続きの中で、社会のバッドヘジャービー〔女性の服装の乱れ〕との闘いをめぐる議論に触れ、次のように述べた。「バッドヘジャービーと闘うために、社会を警察化するようなことがあってはならない。そうではなく、そのための文化を作るべく努力する必要があるのである」。その上でサーネイー師は「無制限の自由は誤ったものではあるが、しかしこのことに対して過激な行動に走ることもまた、問題への解答とはならない」と付け加えた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2358 )