学校でのスカーフ禁止は必要 -EUから公正発展党へ(Radikal紙)
2006年05月05日付 Radikal 紙

EU諸国の国会議員は、学校でのイスラム風スカーフ着用の禁止を擁護し、エルドアン首相の行為を無責任と非難した。共和人民党(CHP)議員はこうした発言に拍手を贈った。

トルコ‐EU合同議会委員会の会議に出席したEUの議員は、公正発展党(AKP)に対し、スカーフ問題について“冷や水を浴びせるような”発言を行った。イギリスの国会議員ジョフリー・ヴァン・オーデンは、大学でのスカーフ着用許可は宗教原理主義を助長することになると述べ、着用禁止の継続の必要性を訴えた。ドイツのリネート・ソマー議員は批判の語気を強め、「スカーフ問題で圧力をかけることは、トルコを危機にさらす。エルドアン首相がスカーフ問題で行ったことは無責任だ。トルコは、外からはイスラム国家のように見える」と話した。

委員会は昨日(4日)午前、最初の会議を開いた。発言したヴァン・オーデン議員は、キプロス問題でトルコは不当な処遇を受けたと述べた後、クルド労働者党(PKK)と宗教の自由について次のように話した。「一部のクルド系市民社会組織は、自らを人権擁護団体であるかの如く見せて実態を隠している。宗教の自由の擁護も、イスラム原理主義者たちに利用されないようにしなければならない。これはスカーフの禁止といった他の問題にも言えることだ。私はトルコの原理主義勢力に大学で居場所を与えてはならないと考えている」。
会議に出席した、原理主義的ではないが敬けんなイスラム教徒であるCHP議員が拍手を贈ったこの発言の後に、AKPカラビュク選出のメフメト・ジェイラン議員が発言。ヴァン・オーデン議員への返答として「原理主義を、テロや暴力、法外行為と捉えるならば、我々も原理主義には反対だ。原理主義と信仰に対する敬けんさとは別のものだ」と述べた。

■真の打撃はソマー議員から
午後に開かれた会議では、ドイツのリネート・ソマー議員が(午前の)ジェイラン議員の発言に触れ、次のように話した。「イスラム風スカーフの着用許可問題は、EU各国でも議論されている。スカーフが誰にとって信仰上必要なものであり、誰にとって圧力をかけるための道具なのか、どうやって判別できようか?スカーフに“信仰”もしくは“圧力”のためにかぶっているとは書かれていないのだから。このことと並んで、トルコや他のEU加盟国の学校や公共の場でのスカーフ着用という結果をもたらすに違いない。このことは集団圧力を生み、スカーフを着用しない人への圧力となる。以上のことから、トルコ政府にはスカーフ問題へのアプローチを再度検討し直して欲しい。この問題がエルドアン首相によって前面に押し出されるのも無責任なことだと思う。このようなことはトルコの利益にならない。トルコを危機にさらすことになる。スカーフ問題でこれほど抑圧的な態度を示すことは、トルコをイスラムクラブの一員であるように見せている」。
オーデン議員は、会議の後も自らの見解を繰り返し述べ、「スカーフ問題で頑なな態度を取ることは、トルコの近代化に向けた努力への背信行為となる。この問題に対するAKPの行動は間違っている。私はトルコで礼拝の自由に重大な問題があるとは考えていない」と話した。

■議員は合意に達せず
トルコとEUの国会議員は、共同声明には至らなかった。草案の文章にPKKへの非難がなかったことや、フランスによるアルメニア人大虐殺に関する法案の提出が批判されなかったため、トルコの議員が反発を示した。ラーゲンディジキ議長は、秋に行われる会議後に声明を出すことを目標としていると伝えられた。

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( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:2362 )