万里の長城を越すトルコ企業―トルコ企業の中国進出(Milliyet紙)
2006年06月11日付 Milliyet 紙

中国はトルコで30近くの市場を圧迫している状態にある。ヨーロッパとアメリカ市場において、トルコにとっての最も強力なライバルである。中国はある市場に目をつけると、短期間のうちにそれを征服してしまう。賃金の安さと国の支援を背景に、製品のコストは低く、価格競争力を持っている。中国は、参入した市場で多くのマーケットシェアを、短期間のうちに獲得している。

「世界の工場」化した中国には、ここ5年間で世界の研究開発投資の半分以上が集まった。マイクロソフト、モトローラ、エリクソン、トヨタをはじめとする多くの国際的な企業が、中国に研究開発の拠点を開いた。中国は、インドとならんで「世界の研究室」となる途上にある。

■対中投資:繊維、観光部門がトップ

トルコ・中国産業協会のヤヴズ・オナイ会長は、トルコ人は中国で主に繊維、観光、教育セクターで投資を行っていると話す。
今年は大理石と化学セクターでも投資が増大したことを明らかにしたオナイ会長は、トルコから中国に投資が向かう理由を次のように列挙した。曰く、「世界規模での競争に勝ち残ること。第三世界の顧客を中国に奪われないようにすること。そして最も重要なのが、トルコで“お荷物”となっている産業部門から離れること」。
オナイはトルコ企業が、食品、建設資材、教育、レジャーの分野で新たな投資先を探していると話した。

■60近い企業が進出

中国に初めて拠点を開いたトルコ企業は1987年のチョラクオール商社であると説明するオナイ会長は、「ボルサンやファベクスのような会社がこれに続いたが、1995年以降企業の数は大きく増えた。我々の会員である中国への進出企業と事務所の数は60近くに上る。この数は毎年増えている」と話した。
オナイは、中国がトルコの会社にとって魅力的であると述べ、次のように語った。「トルコを魅力的な状態にできなければ、トルコに資本家は残らないだろう。そして深刻な失業問題が発生するだろう。一刻も早く、手立てを講じなければならない。商業と経済を差し置いて政治に終始するならば、中小企業などというものは残らないだろう」。

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( 翻訳者:丹羽貴弥 )
( 記事ID:2681 )