サウジ外相、イランを訪問:アブドッラー国王の親書、最高指導者に手交 シャルグ紙
2006年06月13日付 Sharq 紙

2006年6月13日付シャルグ紙1面

【政治部】昨日はイランの外交機関にとって多忙な一日であった。

 サウジアラビアのサウード・アル=ファイサル外相がイランを訪問し、ハーメネイー最高指導者にアブドッラー国王の親書を手交した。もちろん、ファイサル王子は記者らに親書の中身について明らかにしていない。

 他方、イラク・イスラーム革命最高会議のセイエド・アブドル=アズィーズ・ハキーム議長も、イラク及び地域の諸問題についてイラン政府当局者と話し合う目的で、昨日イランを訪問した。イラク要人のイラン訪問は、ここ数日間でこれが二度目となる。土曜日、アーデル・アブドル=マフディー・イラク共和国副大統領がイランを訪問していた。

 サウジ外相は短期間のテヘラン訪問の中で、ハーメネイー最高指導者、マフムード・アフマディーネジャード大統領、マヌーチェフル・モッタキー外相、アクバル・ハーシェミー・ラフサンジャーニー公益評議会議長と相次いで会談した。

▼ハーメネイー最高指導者との会談

〔中略〕

 ハーメネイー最高指導者は、ムスリム同士が対立し、弱みを見せることは、支配を目論むイスラーム世界の敵どもを利することにしかならないと強調した上で、「連帯、協調、協力こそ、現下のイスラーム世界の問題を解決し、敵どもに抵抗するための唯一の方法である。イラン・イスラーム共和国はイスラーム革命の当初より、このことを強く確信してきた」と述べた。

〔中略〕

 ハーメネイー最高指導者はまた、地域問題をめぐる協力が、イランとサウジアラビア両国の協力分野の一つであるとの見方を示し、「両国はイラク問題で良好な形で協力し、シーアとスンニーの相違を煽ろうとする敵どもの試みを阻止することができる」と付け加えた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、シオニストどもの陰謀を考えるならば、レバノン・シリア問題もまたイランとサウジアラビアの協力分野の一つであるとし、パレスチナ人民及び政府に対する圧力に触れた上で、「イスラーム諸国はパレスチナのハマース政権を援助するべきだ。なぜなら、この政権はパレスチナの未来にとって、大いなる貢献を為しうるからである」と指摘した。

▼モッタキー外相との会談

 1日間の日程でイランを訪問したサウジアラビアのサウード・アル=ファイサル外相は、最初の公式日程として、まずマヌーチェフル・モッタキー外相と会談した。両外相は会談後、共同記者会見を開き、記者らの質問に答えた。

〔中略〕

 モッタキー外相はまた、核問題も会談の中心の一つであったことを明かした。外相はさらにこのことに関連して、核問題に対するイランの最新のスタンスにつき、サウード・アル=ファイサル外相に説明を行ったと述べた。モッタキー外相は、イランとサウジアラビア両国は核問題の平和的・外交的解決方法に関し、見解を共有している旨、強調した。同外相はさらに続けて、イラク内政問題を検討するためのイラク周辺国会合が、近い将来開催されるだろうとの見込みを明らかにした。

〔中略〕

 ファイサル外相は、イラン核問題の外交的解決の必要性を強調した上で、「サウジアラビア外交は、大量破壊兵器なき地域を目指すという点で、他のアラブ諸国と方向をともにしている」と述べた。さらに同外相は、「イスラエルはこのことの例外であってはならない」と強調した。

 ファイサル外相は、イラク問題が会談の中心であったと強調した上で、「イラク情勢を無視して地域の安全について話すことなど不可能だ」と述べた。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2709 )