EU首脳、トルコにギリシャ系キプロスへの港湾開放など議定書履行を強く求める(Milliyet紙)
2006年06月17日付 Milliyet 紙

ブリュッセルで開かれたEU首脳会議で、トルコに対する厳しい警告が出された。会議に出席した各国首脳からも、議長総括でも、港湾をギリシャ系キプロス(キプロス共和国)へ開放するために、トルコへ6カ月の猶予期間を与えた。

EU加盟国の国家元首と首相が一堂に集まったEU首脳会議で、トルコに対する最上級の、極めて明確な警告が出された。議長総括に盛り込まれたトルコに関する項目は、キプロス共和国とギリシャの意向に従ってより厳しい内容のものとなった。これだけでは満足しないEUは、アンカラ議定書問題についてもまた、これまでで最も明確かつ最も厳しい見解を示した。

EUは、トルコに空港や海港を今年の末までにキプロス共和国に属する船舶と航空機に開放するよう求めた。EUが、キプロス問題において元々“攻撃的、積極的”だった論調をもう一段階上げたのには、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が「EUがトルコ系キプロス(北キプロス・トルコ共和国)問題について事態を進展させない限り、港湾は開放しない」「EU加盟交渉がストップしてもやむを得ない」と述べたことが影響した。EU今季議長国オーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相は「エルドアン首相のこの説明が正しいのであれば、問題が発生する」と話した。

■一層厳しくなったメッセージ

トルコへ向けられた厳しいメッセージは、各国指導者の発言だけに留まらなかった。そもそもトルコに対するかなり厳しい警告が盛り込まれていた議長総括は、キプロス共和国とギリシャの意向に従って一層手厳しいものとなった。議長総括のトルコに関する記述で、唯一前向きな要素として事実上の加盟交渉が開始されたことへの満足感が表明される一方、トルコが加盟交渉枠組み文書に示された義務を履行する必要があることが強調された。EUは、この義務の中に連合協定とアンカラ議定書の完全履行も含まれると述べた。

EUは議長総括で、2005年9月21日にトルコがキプロス宣言への回答として発表した宣言に言及した。(キプロス共和国の)承認や関係正常化などの項目を含む「この宣言に記された全ての項目について進展が見られないことが欧州評議会によって評価される」という表現が、キプロス共和国の要求によって議長総括に盛り込まれた。

■トルコのみを非難

キプロス共和国の言い分を認めたEUは、ギリシャの主張も見過ごさなかった。ギリシャ政府は、エーゲ海で起こっている問題の責任を一方的にトルコに負わせる表現を議長総括に加えることに成功した。トルコに隣国との良好な関係を築くよう警告する文書では、「問題の平和的解決に悪影響を及ぼすいかなる行動は差し控えられなければならない」という表現が用いられた。トルコに対しては、改革のプロセスを加速させ、効果的に適用することも求められた。

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( 翻訳者:古瀬 由加里 )
( 記事ID:2747 )