サッカーW杯 日本・オーストラリア戦 トルコ人記者の感想(選手採点表つき)(Radikal紙)
2006年06月13日付 Radikal 紙

ライプツィヒでグループ分けのくじを引くまでかなり自信を持っていたが、くじを引いてブラジルと思いがけず当たってしまったのを知って、おそらく士気が下がったであろう二国の対戦でFグループの試合は始まった。32年もワールドカップに参加できなかったチームと、アジアグループから出てきたために多くの人から蔑まれている(誰もが自国よりも東にはサッカーはないと思っているのだ)チームの対戦は、テレビで観戦しているサッカーファンをいい意味で驚かせたに違いない。個人的には、これまで見た中で最も面白い対戦の一つだった。

この二国のチームに共通する点は、外国人監督の下でプレーしていることである。英紙「ガーディアン」の表現によれば「伝説のジーコは、日本で(映画「カラテ・キッド」の師匠役である)ミヤギの役割を演じている」。テレビがサッカーの監督のことも5キロ太ったように映し出すのであればなんということもないが、そうでなければずいぶん太ったように見えるヒディンクがオーストラリアを率いている。二人のうち、ワールドカップでの経歴がより輝かしいのはヒディンクのほうだ。これまでに率いた二つのチームをどちらも準決勝にまで進めたのだから。

準備試合でオランダに向けた暴力は、オランダ人のヒディンク監督が自国の国民に対してだけ行なう特別な仕打ちだったのか、それともオーストラリアは目の前に出てきた者をすべてあのように殴り倒すのかは試合前に最も心配されていた事柄の一つだった。しかしそれほど激しい試合展開にはならなかった。唯一の暴力的シーンは、日本のゴールの後で審判に向かっていったヒディンク監督によるものだった。ちょうど27分目で中村が中央に向けて蹴ったボールがゴールとなったとき、エジプト人審判はファウルを見落とした。まさにヒディンクが悔しがる原因となったのもこのことである。前半が終わったとき、キーパーのシュワルツァーはまだ首を横に振っていたが、できることは何もなかった。

 後半は、初戦の重要性を知っているオーストラリアがより積極的なプレーを始めた。「ボールをまわせ、フォワードラインで我々の誰かに触らせろ、それで十分だ」という戦略でプレーしていたのだろう。彼らが積極的になり前のめりになってきた時間帯には、日本もはっきりと反撃のポジションをとった。たとえば、79分に中田と中村のポジションは、キーパーに返すよりもシュートのほうが可能性が高かった。しかし彼らはやってのけたのだ。

■カヒルが勝利を呼び込んだ
 オーストラリアが攻勢に転じた時間帯にも、何度かボールがキーパーにはじかれたため、正直なところサッカーの神はオーストラリアを見捨てたかと思った。しかし84分にフリーキックでボールが何人かの壁をすり抜けキーパーに跳ね返され、その後でティム・カヒルの前に落ちたとき、私は自分の考えが間違っていたことを知った。カヒルは80分ごろシュートを打ち、それがゴールになった。ほんの1分前にはカメラは悲しむオーストラリア選手をとらえていたのに。おそらくは、カイザースラウテルンの信じられないほどの暑さのせいでひどく疲れていたのだろうが、理由は何であれおそらくこのゴールで彼らは我に帰ったのだろう。89分、オーストラリアのサッカー史に残る初ゴールも十分にファンタスティックだと思わなかったティム・カヒルが、今度はもっと遠くからとても美しく2本目のゴールを決めた。オーストラリアはどうやら最初のゴールで緊張が解けたのだろう、3本目のゴールもすぐに決めた。アロイジが点を入れた。

 対戦が終わった後、我々の新たな関心は韓国を準決勝にまで導いたヒディンクがこのチームでなにをしてくれるかということだ。期待している。

■選手採点表
<オーストラリア>
マーク・シュワルツァー 6点/クレイグ・ムーア 5点/(ジョシュ・ケネディ 7点)/ルーカス・ニール 6点/スコット・チッパーフィールド 6点/ルーク・ウィルクシャー 5点/(ジョン・アロイージ -)/ブレット・エマートン 5点/ヴィンス・グレッラ 6点/ジェイソン・チュリーナ 5点/マルコ・ブレシアーノ 5点/ティム・カヒル 8点/マーク・ヴィドゥカ 7点/ハリー・キューウェル 6点

<日本>
川口能活 7点/坪井慶介 5点/茂庭照幸 4点/(大黒将志)-/宮本恒靖 6点/中澤佑二 6点/駒野友一 5点/中村俊輔 5点/中田英寿 5点/福西崇史 6点/三都主アレサンドロ 5点/高原直泰 5点/柳沢敦 5点/(小野伸二)4点


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( 翻訳者:宇野陽子 )
( 記事ID:2785 )