住民が節水を守らなければ、テヘラン州では水が配給制になる可能性も シャルグ紙
2006年06月25日付 Sharq 紙

【レザー・ザンディー】
 「テヘランの水のこれからが懸念される」ダーヴード・モッラーイー・テヘラン州上下水道公社新局長は初の記者会見でこう述べ、記者たちに冷や水を浴びせた。「人口と建設を抑制する手段が講じられなければテヘランの水供給に明るい未来は見込めない」。セイエド・パルヴィーズ・ファッターフ・エネルギー相の兄弟とともに、それぞれ西アーザルバーイジャーンと東アーザルバーイジャーンからテヘランに来たモッラーイー氏は、サッタール・マフムーディー氏を引き継いで局長となった。エネルギー相の兄弟であるファッターフ氏はテヘラン州電気公社局長に、モッラーイー氏がABFA(上下水道公社)局長に就任した。

 モッラーイー氏は強調する。「テヘラン州は自然貯水の面でも地下貯水の面でも根本的な問題に直面している」。イランという広大な国の平均降水量は250ミリだが、ABFA局長は、テヘラン州の平均降水量は全国平均より少ないとする。

● 高度の高い地域へ水を届けるこのとの難しさ
 本紙がテヘランの水供給における不安材料について説明を求めたのに対し、モッラーイー氏は、「テヘラン州の住民一人当たりの水の割り当ては年間500立方メートルだ。〔一般には〕一人当たり1000立方メートルに満たなければ危機的段階に至ると言われている」と述べる。

 同氏はテヘラン州の地下貯水の汚染についても触れる。「テヘラン州の地下貯水はいくつかの問題を抱えている。なかでも水源の汚染とテヘラン南部の地盤沈下が挙げられる」。モッラーイー氏は警告を発する。「高度1800メートル以上のところに建物を建てると、市民への水の供給が難しくなる」。この警告は、山麓までテヘラン市を拡張してきた企業や建売業者に向けられている。「テヘラン州では平原の低地と山麓の高地の間に850メートルの高度差がある。このため現在、高地に水を届けるのにポンプによる汲み上げを約8段階にわたって行っており、テヘラン市にとってこれは解決すべき問題だ」。

● テヘラン州には年間14億5000万立方メートルの水が必要
 テヘラン市だけでテヘラン州全体の2倍の水を使用している。「テヘラン州は年間14億5000万立方メートルの水が必要だが、テヘラン市だけで年間10億立方メートルも必要としている」。モッラーイー氏はこの必要量の約30パーセントが地下水から供給されることに触れ、「テヘラン州に必要な水の残りは、30~33パーセントがキャラジダムから、約30パーセントがラティヤーンダムから、残りがラールダムから供給されている」と述べた。

 モッラーイー局長の話で重要なのは来年の水の状況を予測している箇所である。「今年は降水量が少ないため、ダムの貯水量は良好なのだが、来年、地下水が間に合うかどうか疑問で、難しい年になるだろう」。モッラーイー氏は、水不足の危機に襲われるのは主に、帯水層を利用している地域だとし、「予測されている来年の不足分が補われなければ、テヘランの地下水源を利用している地域の水不足問題は激化する」と述べた。

● 必要な融資が受けられず
 ABFA局長の批判の矛先は、首都の水確保が深刻な課題であるにもかかわらず必要な融資を出し惜しみしている責任者たちに向けられる。「責任者たちはテヘラン州の水供給に必要な分を融資しない。我々が利用できる融資は年間たったの330億トマーン(約42億1700万円)だ。我々は経費の残りを内部財源と世界銀行からの借り入れで賄わざるをえない」。

 同局長は、「これだけの国の融資ではテヘラン州の下水道の拡張と上水の供給には不十分だ。もっと言えば、政府の本年度の援助額はテヘランの下水網と何カ所かの浄水場を完成させるにはゼロだと言わざるをえない」と率直に述べる。首都の水の供給は深刻な課題の一つだ。今日のうちに明日のことを考えておかなければ、明日にはもうどうすることもできなくなるだろう。同局長は、政府の本年度の援助額が郡部の下水網と浄水場用として僅か68億トマーン(約8億6900万円)だけであることを強調した。
(中略)

● 下水道の困難
 テヘランの下水道は皆がもはやうんざりしている課題の一つだ。テヘランの9000キロに及ぶ下水道網は首都の状況を改善する見通しだったが、ABFA局長は、これの3分の1しか完成していないことを明かす。「テヘランの下水道網はこの数年間でたった2500キロメートルしかできていない」。

● エネルギー相が以前、テヘラン下水道網の南部ラインを完成させると発表していたが、この約束は実現するか?
 「我々はこの問題を追求しているし、下水道網のうち2軌間を公社の内部財源を使って年末までに完成させるべく努力している」。モッラーイー局長は水道公社が大統領に下水道部門に善処するよう要請していることを明かすが、最近、新たな難問がエネルギー省下水道部門にふりかかっていると言う。下水道網がまだ収益を上げるところまで活用されていない一方、世銀からの借り入れ1億5000万ドルの返済時期が来てしまったのだ。

 「返済は始まっており、年間150億トマーン(約19億1700万円)ずつ世銀に返していかねばならない」。一難去って、また一難である。エネルギー省とテヘラン市役所が今年中に下水道の一部を始動させなければ、とばっちりを受けるのはテヘラン市民である。「年に500キロメートルずつ配管が進むとしても、テヘランの下水道網が完成するには1000億トマーン(約127億7800万円)の経費がかかるうえ、あと10年ほどかかる」。

● 州内の郡部では配給制になる可能性も
 「今年のテヘラン州の貯水状況はギリギリで、目下、州内の郡部では様子を見ながら水を供給しているところだ。このままでいくと一部の都市では散発的に配給制になるだろう」。同局長は昨日、記者団の前で真剣に警告を発し、人々に助けを求めた。「テヘランの皆さんが引き続き、そして今以上に協力してくれるなら、我々も断水という事態を招かぬよう努力する。もちろん、テヘラン市は目下の配水状況を見る限り、技術的なトラブルさえ起こらなければ困った事態にはならないだろう」。

● 人々が節水しない理由の一つは水道代が安いことでは?
 「水道代の決定はどのみち政府が管理していることで、我々には料金を値上げする権利がない。未だに83年(西暦2004年3月21日~2005年3月20日)の料金にならっている」。モッラーイー局長は水道料金を値上げすればマームルーダムを完成させる可能性があったことに触れ、「もしこのダムを完成させていたら、テヘランの水は9000万立方メートル増えていただろう」と述べた。

● 10パーセントの節水がダム1個分に
 テヘラン州の住民一人あたりの水消費モデルは標準で一日150リッターだ。「残念ながらテヘラン州の住民の平均消費量は一日250リッターだ。もし市民一人一人が10パーセントずつ使用を減らせばターレガーンダム1個分、もしくはマームルーダム3個分の節水になる」。同局長は不本意な事実として、「テヘラン州では28~30パーセントの水が無駄水になっている」と述べ、無駄水の量を減らす計画について発表した。「我々は2本の5カ年計画でこの数字を15パーセントに減らす予定だ」。先進国の無駄水の許容量は平均8~10パーセントほどである。
(後略)


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( 翻訳者:吉村 かすみ )
( 記事ID:2827 )