石油相:「来週、ガソリン配給制の開始時期を公表」 ハムシャフリー紙
2006年06月24日付 Hamshahri 紙

2006年6月24日付 ハムシャフリー紙経済面
~メフル月(西暦9月23日-)初めからガソリンは配給制に移行する見込み~

【経済部】政府がまだ公式に下半期のガソリンの流通方式に関して計画を発表していない現在の段階で、ガーセム・ヴァズィーリー・ハーマーネ石油相は、メフル月1日(西暦9月23日)より財源不足のためガソリン輸入が停止される旨、強調した。

本紙ハムシャフリーによると、石油相はイラン・イスラム共和国テレビに対し、ガソリンの輸入中断に伴い、ガソリンの流通は配給制に移行すると述べ、次のように発言した。「来週、配給制の正確な開始時期が決定される。下半期のガソリン輸入のための財源が十分ではないからだ。」

また、同石油相は、99%の見込みで(ほぼ間違いなく)、二重価格制、つまり国内生産のガソリンは1リットルあたり80トマーン(約10円)で配給し、輸入のガソリンはそれより高い価格で配給するという方式はとらないと強調した。

石油相の発言から、同省の計画に基づくガソリン流通方式が支持されていると見られる。また、スマートカード方式がまだ詰めの段階に入っていないことを考慮すると、クーポン制による流通方式をとる可能性が高い。


●スタンド経営者らの反対
政府が年下半期のガソリン流通方法を検討している一方で、ガソリンスタンド経営者連合理事会会長のビージャン・ハージ・モハンマドレザーはこう発言した。「理事会のメンバーは、ガソリンの流通が、スマートカード方式であってもクーポン制であっても、配給制には反対する。また、我々は議会と政府に宛てた書簡の中で、政策の実行のため1年間政府にスタンドを提供する際の方針を表明した。」

同理事長は、スタンド経営者らは、賃料を差し引いたスタンド維持費が保証される場合にのみ、政府が適切とみなしている施策実行のためスタンドを提供するつもりだと述べた。

また、同理事長は同時に以下のように強調した。「給油所でのガソリンの蒸発は日量7千万リットルにも達し、国の一日の全消費量の平均値に等しく、政府はガソリンの無駄な消費を防ぐと同時に、スタンドや流通段階におけるガソリン蒸発問題を改善すべきだ。」彼はこれに加えて、密輸を検討すべき難題の一つとして挙げ、国家経済が再びクーポン制の時代に戻らないよう希望していると述べた。

●密輸対策
木曜日(6月22日)に発表された報告によれば、今日(24日)から官民による石油製品密輸業者への対策がイラン全土で始まる。

民間企業石油製品密輸撲滅キャンペーンのジャザーイェリー本部長は、一日平均の密輸量は400万から600万リットルに上り、それによって密輸業者らが得る収益は年間に10億ドル(約1150億円)にも上ると発表した。さらに同本部長は、闇市場の有力集団が印章や貨物輸送状を偽造し、石油製品を国境地帯へ送っていると発言した。

●必要なインフラの未整備
政府は、再三にわたりガソリン配給制の実行を計画しているが、85年度(西暦2006年3月から翌年3月まで)予算における議会の承認事項に反して、未だに都市輸送交通手段の充実と自動車のガス利用促進に向けて必要なインフラを整備しておらず、このため一部のイスラーム評議会[イランの国民議会]の議員は、ガソリン輸入の財源補填法案の提出を望んでいる。


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( 翻訳者:飯田晃大 )
( 記事ID:2840 )