ボスフォラスの海峡(ボアズ)は、のど(ボアズ)まで違法建築だらけ(Milliyet紙)
2006年06月04日付 Milliyet 紙

自然の美しさが魅力的な景観を作り出しているボスフォラス海峡周辺では、違法建築が後を絶たない。1983年に施行された特別法の保護下に置かれたボスフォラス海峡は、違法建築に白旗を揚げた。確認された違法建築は、昨年だけでも一昨年と比べて100パーセント増加した。

ボスフォラス海峡周辺の文化的、歴史的価値や、自然の美しさを公益のために保護し、発展させ、この地区での人口密度を高める建築を制限するため、1983年に第2960号ボスフォラス海峡法が施行された。ボスフォラス海峡周辺での宅地化の計画と調整、開発事業の実施と監督を目的として、ボスフォラス海峡開発高等調整機構、ボスフォラス海峡開発運営委員会、ボスフォラス海峡開発局がつくられた。首相、閣僚会議、イスタンブル県庁およびイスタンブル広域市役所が共同の監督下に置いたボスフォラス海峡では、法律施行後の23年間で、9,616棟の違法建築物ならびにゲジェコンドゥ(無許可で占拠した土地の上に立てられた建築物)が建てられた。

イスタンブル広域市ボスフォラス海峡開発局から広報部を通じて得られた情報によると、ボスフォラス海峡周辺には計28,873棟の建物がある。このうち3,004棟は法律違反の建築物で、6,612棟はゲジェコンドゥであった。これらの合計は、ボスフォラス海峡周辺の建築物の3分の1を占める。

■取り壊しの外部委託は必須
ボスフォラス海峡開発局は、2004年に1,148棟、2005年に2,146棟の無許可の建設活動を中断させたとし、2006年の第一四半期には621棟の無許可の建設を阻止したと発表した。
市の担当者は、確認されている違法建築にかんし、市の審議会より取り壊しの決定を受けたことを明らかにし、次のように説明した。「全ての建物の取り壊しを開発局だけで行うことは無理であると見られることから、問題を解決するには取り壊しを入札(により外部に委託)する方法しかないという結論に達した。2005年12月に入札に関する準備を開始した」。

■元局長の告白
ボスフォラス海峡開発局のセミー・アイ元局長は、昨年11月に任務を解かれた。アイに代わりイルファン・ウズンが任命された。アイは任を解かれた後に行った会見で「1年半の間に、約150件もの違法建築の告発を行ったが、ひとつとして成果を挙げることができなかった。ボスフォラス海峡の違法建築に歯止めをかけられなかった」と述べた。

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( 翻訳者:井上さやか )
( 記事ID:2616 )