原油価格高騰:OPEC生産枠据え置きの決定にもかかわらず ハムシャフリー紙
2006年06月03日付 Hamshahri 紙

2006年6月3日付ハムシャフリー紙

【経済部】カラカスで先日開かれた石油輸出国機構(OPEC)の会合で、同機構加盟各国は日量2800万バレルの生産量を維持する決定をしたが、それにもかかわらず、世界市場における原油価格指標の低下予想は裏切られ、アメリカ産軽質原油の1バレルあたりの価格は71ドルに迫った。

 本紙ハムシャフリーが伝えるところによると、テキサスの二つの大規模石油製品精製所において技術的問題を発生させたアメリカの天候不順への懸念が、この国のガソリン供給不安につながり、石油価格下落の流れを止めた。

 イラン核問題をめぐる動向が、政治的・非経済的要因としてこれまで原油市場に影響を与えてきたことも事実ではあるが、しかし同問題は現在のところ小康状態を保っており、原油市場の変動に対する影響も限定的なものとなっている。アメリカの軽質原油は、週の原油市場最終営業日であった昨日、約38セント上昇し70.72ドルで取引された。北海ブレント原油も昨日26セント上昇して、約69.65ドルで取引された。

 ▼高騰の要因

 石油市場における経済的要因に、いまだ大きな変化は見られていない。また供給と生産の基本的要素に変化がないことで、原油市場は困難な状況に置かれている。にもかかわらず、アリー・ナイーミー・サウジ石油相がカラカスでのOPEC会合の最後に強調したところによると、石油市場は供給過剰かつ高値と闘っているという。

 サウジ石油相の矛盾した言葉は、供給が十分であるにもかかわらず、将来の動向への不安が価格の高止まりを招いているという、市場の不安定な情況を物語っている。

 カラカスでの会合で、ウーゴ・チャベス・ヴェネズエラ大統領は自国での会合開催の機会を利用し、生産量の上限を削減するよう要求することで、OPEC設立国の一つとしての自国の同機構での発言力を増大させようと試みたが、同機構の大部分の加盟国、中でも最大の石油産出国であるサウジアラビアがこの試みを抑えた格好となった。

 カラカスでの会合では、アンゴラとスーダンのOPEC加盟申請が提出された。この申請が認められた場合、世界の石油生産におけるOPECのシェアは40%から42%へと増加する。

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( 翻訳者:飯田 晃大 )
( 記事ID:2618 )