オルブライト米前国務長官:共和党は世界におけるアメリカの顔を潰した ハムシャフリー紙
2006年06月07日付 Hamshahri 紙

2006年6月7日付 ハムシャフリー23面

 アメリカ前国務長官のマデレーン・オルブライトは、イラク及びアフガニスタンに対するアメリカの戦争行為、米政府のイランに対する敵対関係の継続、そしてイランの核問題に対するホワイトハウスの立場について語り、ジョージ・ブッシュ政権はアメリカの顔を潰していると批判した。

 イラン国営通信(IRNA)によれば、オルブライト氏はドイツの週刊誌シュピーゲル(Schpigel)とのインタビューで次のように述べた。「アメリカが失った威信を取り戻すためには、どれだけ時間がかかるのかという疑問が沸く。私の見解では、ワシントンが失った威信を取り戻すためには多大な時間が必要であり、極めて困難な仕事になるだろう」。

 オルブライト氏はイラクへの侵略、特に[イラク中西部]ハディーサで起きた[昨年11月の]虐殺のために、世界におけるアメリカの面目に傷がついたのではないかとの質問に対しては、「実際にこの問題によって、〔アメリカに対する〕悪感情が生まれてしまった。民主党が政権を握っていたならば、このような事態は許さなかった」と答えた。同氏は、アメリカがテロとの闘いを理由にイラクを攻撃したものの、イラクにとって希望のない状況が支配していることに関しては、「我々はイラクにおいて勝者となってはいない」と述べた。

 同様に、ドナルド・ラムズフェルド米国防長官もまた、「我々はテロリズムを増幅させた以上にテロリズムと戦ったとは言えない状況にある。現在イラクはアメリカの敵対者を養成する場に変容している」ことを認めている。

 アメリカ前国務長官はアフガニスタンにおける最近の治安悪化についても、「この2週間で生じている事態は非常に悪い。アフガニスタンにおける戦争が終結したとは言えない現状を見ても、[この国で]必要な措置が取られていないことは明らかである」と表明した。

 オルブライト氏はまた、アフガニスタン行政の無能さを指摘して、同国のハーミド・カルザイ大統領を非難したうえで、「我々はアフガニスタンで十分な措置を取らないまま、イラクを攻撃し、現在この二地域で困難に陥っている」と続けた。

 同氏はイラクへの攻撃は間違いだったかとの質問に対しては、次のように述べた。「我々はバグダードに大量虐殺兵器があるという問題に関しては、ブッシュと意見を共にしていたが、イラクが潜在的な脅威であるとは決して考えていなかった。何故ならバグダードは制裁下にあり、我々はイラクの飛行禁止区域を広範にわたって空爆し、サッダームを閉じこめていたからである。従って、私にとって、何故イラクへの攻撃とその後の処理があのようなかたちで行われてしまったのか、了解できない。ペンタゴンは今も連合軍をイラクからいつ撤退させるかのタイム・テーブルもなければ、この件〔撤退後の戦後復興等〕に関する諸々の国際機関の案を利用する計画もない」。

 イラクへの侵略に帰結したのと同じやり方で、イランと現在のような対立を続けることに同調するかとの質問に対して、オルブライト氏は次のように答えた。「実際のところ、アメリカ政府内には、誰一人としてイランとの戦争を望んでいる者はいない。私の見解では、イラクの現状への認識に伴い、戦争への突入が容易だと考えている者は誰もいないだろう。もちろんアメリカは軍事的措置の選択を否定してはいないが、私の考えるところでは、イランの状況はイラクと同じではない」。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:下山伴子 )
( 記事ID:2655 )