コンヤの大学で、肩をくんだカップル学生の行為が問題に(Radikal紙)
2006年06月09日付 Radikal 紙

これは、「大学による道徳調査」だ!

コンヤにあるセルチュク大学の中庭で、そばに二人の学生がいる前で恋人の肩に手を回した男子学生が理想主義者から暴行を受けた。
事件が大学当局に報告されると、教育学部長(局)により調査委員会が設置された。しかし委員会は、「罪」を互いに寄り添ったカップルに負わせ、「社会で好ましくないと考えられている行為に及んだ」という理由で調査を進めた。これを知ったスレイマン・オクダン同大学長は、調査委員会のアドナン・ドアン・ブルドゥル委員長について調査を開始させたことを明らかにした。

大学の「風紀監視員」に待ったをかける者はいない。
イスタンブルでは、マルマラ大学アタテュルク教育学部で裸体の絵画や彫刻を制作した学生が、理想主義者からの攻撃を受けた。アンカラ大学農学部のジャンスユ・フェスティバルでも、やはり理想主義者のグループが学生に対し、ビールを飲んでいるとしてなたで襲撃していた。同グループは、ガーズィー大学の(男性)教員に対しても長髪でピアスをしているという理由で暴行を加え、入院させた。

そして、新たな事件がコンヤで起こった。
セルチュク大学教育学部地理教育学科の学生であるタリップ・セフィルさんは、同大学に通う恋人、イェシム・ユクセレンさんの肩に手を回したことで自らの身に降りかかったことを、次のように話した。

「5月16日、Aブロックにある学部長棟の一階で、イェシムと他の2人の友人と話していました。このとき、僕はイェシムの肩に手を回したのです。そばに理想主義の人たちがいたことは、後で知りました。A・Kが来て、外で話をしたいと言われました。外に出ると、僕に向かってこう言ったのです。『ここでは女性に近寄ることは禁止されている。模範行為として、君をドルナイ・カフェの前で殴らせてもらう』。僕が、『君は何者なんだ?』と聞くと、相手は『組織の者だ』と答え、僕に頭突きしました。
僕は友人と一緒にラーレバフチェ警察署に届け出ました。事情を聞かれたA・Kは、罪を認めませんでした。この争いが警察沙汰になると、学部長が調査を始めさせたのです。学部長は、僕とイェシムの両方に2通の書面を送ってきました。そのうちの一方は暴行事件についてのもので、もう一方は‘社会で好ましくないと考えられている行為に及んだ’という理由で事情聴取を行うとの通知でした。ブルドゥル助教授を委員長として設置された委員会は、僕たち二人と、事件の場に居合わせた友人のイブラヒム・アクタンから事情を聞きました。ブルドゥルは僕たちに対し、『学内では手をつなぐことすら禁じられている。君たちは社会の風紀を乱したのだから、罰を受けてもらう』と言いました。僕たち三人は、道徳に反する行為はしていないと話しました。自分たちを『組織』と名乗ったグループは、あごに不精ひげをたくわえたり、長髪の人、ピアスをした人に暴力をふるっています。学部当局は、こうした行為を黙認してしているのです」。
イェシム・ユクセレンさんは、「人の道徳監視はやめて欲しい。誰もが自分の責任は自分で負っているのだから」と話した。

■調査委員会:調査は終わっていない!

ブルドゥル助教授は、調査は続行中であると述べ、次のように話した。
「脅迫や暴力行為と並んで、男子学生が女子学生に抱きついたとの情報を受けた。そのため、脅迫・暴力行為と女子学生への抱きつき事件の両方に関して調査を行った。調査はまだ終わっていない」。

■オクダン学長:何か意図があるのかもしれない

事態の経過がメディアで報道されると、セルチュク大学のオクダン学長が事情を説明した。「私たちは暴行を加えた三人の学生に対し調査を行うよう命じた。ブルドゥル助教授には、暴行を受けた学生の主張を聞く権利はない。大学として、彼らに対する事情聴取は行っていない。これには何か意図があるのかもしれない。ブルドゥル助教授について、明日(6月9日)調査を開始する」。

■事件が頻発するセルチュク大学

セルチュク大学では似たような事件が以前にも起きている。以下、その例。裁判に発展したケース、学生から聞きだしたケースもある。

・アラッディン・ケイクバットキャンパスの中庭で、サズを弾きながら民謡を歌った左翼系学生グループが、理想主義者から暴行を受けた。
・経済・経営学部教員のハリル・イブラヒム氏は、理想主義者から脅迫を受けたとして検察に訴状を提出。これをうけ、「コンヤ理想の灯」ゼキ・ゾルル委員長およびバルバロス・ケチェジオール副委員長が逮捕されたが、不在裁判となったため釈放された。
・食堂には、理想主義者の学生しか座ることのできないテーブルがある。
・アラッディン・ケイクバットキャンパスで、スカーフをかぶった学生が立ち入りを拒否されている光景を写真に撮った地元紙メルハバのジェティン・オランル記者は、門に立っていた警備員に殴られた。裁判が開かれたが、四人の警備員は無罪となった。
・学生のS・Dさん:「10日前、あごに不精ひげを生やしているという理由で殴られました。大学当局に報告しましたが、何の結果も得られませんでした」。

※関連記事
長髪にピアスの大学助手、暴行うける(Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News2006414_2200.html

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( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:2666 )