Can DÜNDARコラム:トルコで不動産購入の外国人、5万件超す 最多はギリシャ人(Milliyet紙)
2006年07月10日付 Milliyet 紙

外国人による不動産購入はトルコ全土で5万件を越えた。国別ではギリシャ人が筆頭で、ドイツ人がそれに続く。イスタンブル県での売買が最大で、次にアンタリヤ県になっている。
ラフシャン・エジェヴィト(ビュレント・エジェヴィト元首相の夫人)が口火をきった。彼女は、外国人が不動産購入という手段によって内側から徐々にトルコを手中に収めていると主張し、「占領マップ」(の存在)についても言及した。「トラキア地方全体をギリシャ人は手に入れた。ハタイも失われた。南東アナトリア・プロジェクト(GAP)の土地はユダヤ人によって占められた。アニ遺跡(アルメニア国境沿いの王国跡)の周囲はイギリス企業の手に渡った」と述べた。
彼女の(主張)では、トルコは、地券の点からみれば、すでに征服されてしまった。
このことはここ何ヶ月のあいだ言われていることだが、正確なデータはない。
主張者たちも公式筋も数字を挙げていない。疑わしさは増すばかりである。


■大臣の会議室の壁

先日、別の用件で会った大臣の会議室の壁に偶然にも一枚の地図を目にした。 「トルコで最も不動産を購入した国々の地図」というものだった・・・。 地券及び地籍簿総局の情報システム部門が作成したものだった。 2005年の年初時点で外国人が所有する不動産について県ごとにとったデータを示しているのだ。 「外国人が大規模に土地を購入している」という主張がひろがったため、地券総局より地図の作成が要請され、その後、(地図の件が)中央の官僚機構のなかをめぐりめぐったことを、のちに調べたことで知った。


■筆頭はギリシャ人

まず、地図の表を概観してみよう。 前年の時点で外国人が(取得した)不動産の総件数:47,912 このうち79%は5つの国によって占められている。順に、ギリシャ、ドイツ、シリア、イギリス、オランダである・・・。 この5つの国によって占められる不動産所有の総件数:38,011 詳細を示せば、 ギリシャ 12,535 ドイツ 12,053 イギリス 6,983 シリア 4,607 オランダ 1,833 この以外の国の外国人が所有する不動産の総件数は9,901 イスラエルは上位5カ国に入らなかった・・・。 外国人による不動産購入には2.5ヘクタールの制限がある点を踏まえて詳細に移ろう。 地理的な分布をみてみると、東部アナトリアを除くトルコ全土で外国人が不動産を所有しているのがわかる。しかし、集中しているのは、マルマラ、南部アナトリア、エーゲ地方である。 特定の地域を特定の外国人が集中的に購入している状況もわかる。 トラキア、マルマラ地方ではギリシャ人が、黒海、南部アナトリア、内陸エーゲ地方ではドイツ人が、南東部ではシリア人が集中している。


■イスタンブルに集中

盛んに購入がおこなわれた上位の都市をみてみよう。筆頭にはイスタンブルが挙がる。 総計9,893件の不動産購入があった。これにアンタリヤの8,718件が続く。三番目に挙がるのは、それぞれ近い数字を出している3つの県である。 ムーラ:4,948 ブルサ:4,357 イズミル:4,156 そして、ハタイはその後に続く3,548 アンカラは766に留まった。 ディヤルバクルは17と、最も少ないグループに入る。

■5万件を越えた

思い出してください。この地図が作成された後の2005年3月に、憲法裁判所は外国人に不動産を購入する機会をあたえた法整備を無効とした。 その後、新たな法整備がなされ、不動産購入は2006年の年初より再び自由化された。 今年になっておこなわれた購入により、今日では外国人が所有する不動産件数が5万件を越えた。 実際のところ、近々皆さまが本紙でお読みになるであろう、アンカラ支局のオンデル・ユルマズ氏の記事は最新の件数を5万7千としている。 新たな法整備の後に、イギリス、ドイツ、アイルランド人が(不動産購入に)関心を高めているのが窺える。彼らの関心はアンタリヤに向けられている。

■「危険はない」

この地図について、さる有力な閣僚と話した。彼は、「地図には危険(を窺わせる)表はない」と述べ、また、「かつて彼ら(エジェヴィトとその周囲)は外国人敵視のことで我々を非難したが、いまでは彼ら自身が外国人を敵視してるじゃないか」と付け加えた。 地図はそこ(大臣の部屋)にあり(実在し)、数字は記事で(取り上げた)。 これは「侵略地図」なのだろうか?危険はあるのだろうか?読者の皆さまが御覧になり判断ください。



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( 翻訳者:堀ノ内夏子 )
( 記事ID:2947 )