ブッシュ政権、イスラエルへ緊急武器輸出(Radikal紙)
2006年07月23日付 Radikal 紙

アメリカがイスラエルの要請を受け、精密誘導爆弾を緊急に送ったことが明らかになった。専門家によれば、イスラエルはレバノンでの攻撃対象をまとめた長いリストをもっているという。

イスラエルはヒズブッラーが自国兵を拉致したことを理由に7月12日にレバノンへの攻撃を始め、壊滅状態にしてこれまでに少なくとも350人を殺害した。さらにイスラエルはアメリカのおかげでさらに攻撃を拡大できるようになる。ヒズブッラーに大打撃を与えずして停戦が宣言されることを妨げたブッシュ政権は、イスラエルに軍事作戦を継続できるよう少なくとも1週間の猶予を与えたあと、急いで武器を送っていたことが明らかになった。ニューヨーク・タイムズ紙は、アメリカ政府がテルアビブに「大急ぎで精密誘導爆弾を届けた」と書いた。

イスラエルが先週に出した要請を受けて、急いで「精密誘導爆弾」を輸送したことを明らかにしたアメリカ政府関係者は、アメリカ政府が「短時間の議論」のあとでこれを受け入れ、決定を国民に明らかにしなかったと伝えた。アメリカ国防総省は、引き渡される武器の規模や中身についても、どういった経路で輸送するかについても一切明らかにしなかった。イスラエルは2005年に締結された数百万ドル規模の武器購入の協定に従って、武器の引き渡しを要請している。この協定では、イスラエルがアメリカから100台程度の「シェルターも吹き飛ばす」ことで知られるレーザー誘導式の対地下塹壕兵器GBU-28爆弾を購入できること、一方で衛星誘導式の武器を売却できることなどが盛り込まれている。

軍事専門家たちは、今回の要請が「イスラエルがレバノンで攻撃を加える標的地をまとめた長いリストを持っている」ことの証拠であるという見方を示した。レバノンでヒズブッラーの指導者が隠れていると言われる避難所と地下の弾薬庫を、レーザーおよび衛星誘導式の爆弾なしで攻撃するのは難しいことも指摘された。しかし、ヒズブッラーを武装化させたとしてイランを避難したアメリカがイスラエルに武器を供給すれば、アラブ諸国を怒らせることになるという警告も出された。在米イスラエル大使館は「精密誘導爆弾は、ヒズブッラーの軍事力を低下させ、市民への被害を最小限に抑えるために使用する」と話した。

■国連:事態は刻々と悪化している

にもかかわらず、国連が「大きな人的被害」があると警告したレバノンには停戦と人道支援が必要となっている。昨日ベイルートを訪れ、被害状況を調査した国連人道支援担当のジャン・エゲランド氏は、時が経つにつれて事態が一層悪化しており、現在50万人もの人々が緊急支援を必要としていること、またそうした人の数がますます増え続けていることを報告した。

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( 翻訳者:湯澤 芙美 )
( 記事ID:3060 )